ネットワーク仮想化ソフト「MidoNet」、OSS化--コミュニティサイトも立ち上げ

NO BUDGET

2014-11-04 17:23

 Midokuraは11月3日、ネットワーク仮想化ソフトウェア「MidoNet」のソースコードをApache 2.0ライセンスに準ずるオープンソースとして開放すると発表した。MidoNetのコードは無償でダウンロードできる。

 Midokuraはスイスのローザンヌに本社を置く、ネットワーク仮想化分野に特化して2010年に創立。OpenStackなどのクラウドプラットフォームと連携した「Midokura Enterprise MidoNet(MEM)」を提供している。

 MidoNetはネットワーク仮想化をソフトウェアで実現するオーバーレイ型でIaaS上で柔軟なL2~L4の仮想分散ネットワークサービスを構築できる。ネットワーク処理をエッジのコンピュートノードで処理するアーキテクチャを特徴とし、導入や運用が簡易で拡張性や耐障害性に優れ、ネットワークのコスト削減、安定性、拡張性、性能を向上させられるとしている。

 今回、MidoNetのすべてのコードがApache 2.0に準じてオープンになり、ユーザーはMidoNetを自由に利活用、ディストリビュートできるだけでなく、開発に貢献できるようになった。MidoNetオープンソースプロジェクトに対しては、18を超える主要企業がサポートを表明、その多くがすでにMidoNetを検証、導入しているという。商用版MidoNetとして、企業向けサポートや管理ツールが付属するMEMの提供は継続される。

 Midokuraでは、個別のベンダーに偏らないMidoNetのコミュニティ確立やユーザーのサポートに関与し、オープンソースのコミュニティへの貢献や、コミュニティサイトの準備や運営といったコミュニティの活動に取り組んでいくとしている。Midokura共同創業者で最高経営責任者(CEO)兼最高技術責任者(CTO)のDan Mihai Dumitriu氏が以下のようにコメントしている。

 「創業以来4年間、一貫してMidoNetに注力し、競合他社より優れたソフトウェアを開発してきたと自負している。現在のOpenStack Neutronのコミュニティは、ネットワークベンダーが各社のプロプライエタリ製品を販売するために多数のプラグインがバラバラに存在しており、デフォルトとなるべきオープンソースに力を入れることができていない。結果、オープンソースのOpenStack Neutronは商用利用に耐えるレベルに至っていない。ミドクラはMidoNetをオープンソース化し、コミュニティドリブンのプロジェクトとすることで問題を解決する。OpenStackコミュニティに安定性と拡張性が高く、構築がしやすい商用利用レベルのネットワーク仮想化ソフトウェアを提供する」

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]