追い風が吹く日本のモバイル環境市場
今回のコンファレンスでKing氏は、同社が提唱する「Software-Defined Workplace」について説明した。これは、ユーザーが「場所」に縛られることなく働ける環境を、ソフトウェアによって実現するというものだ。そのために必要な要素として同氏は、「セキュリティ」「ANYness」「エクスペリエンス」を挙げる。
日本政府は2013年、テレワーク(モバイルワーク)の積極的な導入と、雇用型在宅型テレワーカー数の比率向上を政府目標として掲げた。King氏も「モバイルワークに対する関心は高まっている」と語る。講演終了後の同氏に、日本におけるモバイルワークスタイルの変革について話を聞いた。
--近年、シトリックスはモバイル環境の重要性を訴え、「Mobile Workspace Suite」などの製品をリリースしている。日本でのモバイル環境に対する反応をどのように見ているか。
インタビューに答えるMichael King氏。2013年は国内の大型案件が数社決まり「米国よりも業績伸び率はよい」とのことだ
われわれは日本市場において堅調にビジネスを成長させている。具体的な数字は公開していないが、シトリックス全体の中で(前年比)成長率がいちばん高いのは日本だ。「ANYness」(Anytime/Anywhere/Anydevice/Anydata いつでも、どこからでも、どんなデバイスからでもあらゆるデータにアクセスできる環境)は、既存の環境を否定するものではなく、既存環境の上で実現できる。コストや生産性向上の観点からも、モバイル環境を真剣に導入する動きは強まっている。
また、われわれには300超のパートナー企業がおり、(パートナーと)エコシステムを構築していく。パートナーが提供しているインフラとともに「Mobile Workspace Suite」を提供していくことで、大規模企業だけでなく、中堅・小規模企業にもアプローチしていきたいと考えている。