2015年のITトレンドを探る--ウェアラブルと個人情報、「チラ見メディア」など

Alex Howard (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2015-01-14 06:00

 2015年も、より多くの人がインターネットにつながり、より高速なモバイルデバイスを持ち、生成され利用されるデータの量が増え続けることは確実だ。筆者が2013年に注目に値すると考えた主なトレンドは今でも通用する。ネットワーク上での責任、アルゴリズムの透明性、自動化と人工知能、予測分析などは特にそうだ。ソーシャルメディア、データジャーナリズム、政府でのオープンソース利用など、筆者が2012年に注目したトレンドの多くは、今でも重要なだけでなく、われわれの生活、仕事、遊びなどの中に定着している。プライバシー、セキュリティ、IDなどは継続的なテーマであり、今後も長く課題であり続けるだろう。

 影響力のある調査会社Gartnerが開発した「ハイプサイクル」は、個々のテクノロジの発展状況、導入状況、社会的な影響を図示するツールだが、この図は2015年にこれらのトレンドが人類に与える影響について考えるための、材料の1つになり得る。


提供:Wikimedia Commons/Olga Tarkovskiy

 たとえば、2014年のハイプサイクル(下図)では、音声認識と「消費者テレマティクス」が曲線の右端に置かれている。これは、これらのテクノロジが速いペースで社会に普及していることを意味している。何千万人という人が自動車でGPSを利用し、コンピュータやスマートフォンで音声入力を使っていることを考えれば、この評価は正しいと思われる。量子コンピューティング、3Dバイオプリンティング、音声から音声への翻訳、自律自動車などの技術は、まだ期待が上昇している段階だ。一方、「モノのインターネット」(Internet of Things:IoT)、ビッグデータ、ゲーミフィケーションなどに対する期待は落ちつつある。最も期待度が高かったテクノロジの1つであるクラウドコンピュ―ティングは、その頂点から5年経ち、今では企業や政府に入り込みつつある。バーチャルリアリティは、Oculus VRが開発したデバイスや、同社がFacebookに買収されたことで、一部の分野で期待が盛り返しているが、7年前に流行した没入可能な3Dオンライン環境である「Second Life」は、われわれの日常にはならなかった。


新技術のハイプサイクル(2014年)
提供:Gartner

 一言で言えば、少なくとも筆者にとっては、この多くはまだSFのように聞こえるし、未来に生きているように感じられる。しかしより具体的に考えれば、都市インフラにセンサと情報システムを組み込めば、より多くのデータが収集され、エネルギー消費や交通の効率向上、そしてプライバシーの縮小に影響を与えることは明らかだ。2015年には、自治体のトップたちがオープンに「スマートシティ」を作ることの功罪を語るようになってほしいと思う。

 2015年に注目すべきトレンドについて考えるもう1つの方法は、Webbmedia Groupの意見に耳を傾けることだ。同社は特許申請情報の分析や、研究開発を進めている研究所の人々にインタビューし、消費者の動向やミクロ経済、マクロ経済のトレンドを研究して、「未来予想図」を作ろうとしている。筆者は、同社を設立した元ジャーナリストのAmy Webb氏と、以下のプレゼンテーションで説明されている2015年の技術トレンドの一部について話したことがある。

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