さらに1月15日には、閉域網接続サービス「ExpressRoute」もスタートした。これは通信事業者などとの提携により実現したもので、Azureをインターネット直結でなく、企業システムの一部として使うことができるようにするサービスだ。ここで同サービスの提携事業者であるIIJとエクイニクス・ジャパンの担当者が壇上に上がり、それぞれのサービスの特色を説明した。
IIJ アライアンスマーケティング部 四倉章平氏
IIJでは、ExpressRouteにおいて定額プランを提供している。トラフィックが増えても料金は一定のまま、帯域確保型でフルマネージドのサービスだ。同社アライアンスマーケティング部の四倉章平氏は、以下のように説明する。
「日本ユーザーはフラットレートを好む企業が多いので、オンプレミスでのシステムをそのままクラウドに持ち込むユーザーをイメージした内容とした。遅延も抑えており、マイクロソフト側のバックボーンも高速なので、あたかも顧客のWANにAzureの接続ポイントを追加するような形で、ハイブリッドないしプライベートクラウドとしてAzureを使うことが可能。先行事例として、オーディオテクニカ、積水化学、わかさ生活の各社が、いずれもエンタープライズでAzureを活用している」
エクイニクス・ジャパン シニアセールスエンジニア 野口敬之氏
一方のエクイニクス・ジャパンでは、同社の「Equinix Cloud Exchange」サービスをAzure向けに展開した。このCloud Exchangeでは、クラウドサービスプロバイダへのダイレクトマルチ接続を提供している。キャリアやパートナーを選んで接続することが可能で、DC内の直接接続のため高速かつ安全性が高く、ウェブポータルから設定を動的に適用でき、料金は定額分プラス一定量を超えたら従量制という設定で、1bps帯域で月額3万円からと安価な点が特徴だ。
同社シニアセールスエンジニアの野口敬之氏は、「Cloud Exchangeの稼働率は99.999%以上。セキュリティ要件を満たし、かつ自由にサービスを選びたいユーザー、またグローバルに展開したいユーザーなどに適している。先行事例としては、マンパワーグループが、エクイニクスのDCに持つ一部システムとAzure上システムとの接続に使っている。CloudExchangeの国内初事例でもある」と語った。
澤氏は、以下のように語ってセッションを締め括った。
「マイクロソフトは、クラウドのプレーヤーとしてようやく少しずつ認められるようになってきた。長い間、“WindowsとOfficeの会社”というイメージが強かったが、AzureはMSが大きく変わったことを端的に示すソリューションだ」