1アカウントで40種類のクラウドサービスを利用可能
米Zohoは、1996年に設立し、業務用パッケージの提供などの事業を進めてきた。しかし、2005年から中堅、中小企業向けのクラウドサービスの提供を開始し、現在では日本を含むグローバルで8万社、1300万のユーザーを擁している。
クラウドサービス「Zoho」の特徴はサービスの豊富さにある。CRM、SFAはもちろん、表計算、ドキュメント作成、プロジェクト管理をはじめ、チャット、SNSなどの機能など約40種類のサービスを1アカウントですべて利用できる。
Zohoの最高経営責任者、Sridhar Vembu氏
これだけ多種類のサービスを1アカウント月々数千円で利用できるとなると、シンプルなことしかできない印象を持ちやすいが、例えばCRMは、タスクやスケジュール、KPI管理もでき、報告書作成や需要予測、キャンペーン管理、ワークフローも利用できる。Zohoの特徴は、こうしたCRMなどのサービスが、そのほかのメール、SNS、インボイス、API連携といったサービスとうまく連携していることだという。
最高経営責任者(CEO)のSridhar Vembu氏に、これほど多くのサービスを提供するにはかなり開発費がかかるのではないか、と聞いてみた。
「当社のサービスは、すべて独自開発した言語で構築された『MICKY』というフレームワーク上で開発され稼働しています。これだけのサービスを個別に組み上げていたのではユーザーに役立つものにすることはなかなか難しいでしょう。しかし、単一のフレームワーク上で構築されているので、非常に効率的に開発できるのです。もちろん、それぞれのサービスは他社のサービス以上に高機能でなくなてはなりませんので、開発費は他社と比較にならない額をかけています」
Vembu氏によると、一般的なクラウドサービス企業は、営業マーケティング費用が売上高に対して50%前後、研究開発費が10%程度だが、Zohoはその比率が逆とのことだ。