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すべての表計算ソフトのデータをビジュアル化したい--タブローソフトの浜田俊氏 - (page 2)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2015-04-09 08:20

 例えばRDBの世界を振り返ると、RDBが出てきた当初はシステムインテグレーターが、さまざまなものを提案していました。それがある日突然オラクルだけになり、システムインテグレーターも「オラクルとインテグレーションできます」という提案に変わりました。これと同じことが近い将来、BIの世界でも起きると思っています。つまり、SIerの提案がさまざまなBIソフトから「Tableau Softwareをこう活用できます」という形に変わると思います。

 実際に感触として、パートナーになって欲しいというシステムインテグレーターが非常に多いです。2年前にTableauの日本法人が立ち上がったときに、10分間のデモを見て即決していただいたのは、CTCだけでした。それ以外の、当時は見向きもしなかったSIerたちが、こぞって来るようになりました。それは、Tableau Softwareを使ってみたエンドユーザーがファンになって、導入したいという顧客が非常に増えているんですね。

--導入に対して、どのような提案が上がってくるのか。

 まずデータがあります。それに対してERPやCRM、DWHなどもあります。それをBIで見ようとしていました。エンドユーザーはIT部門にグラフ化を依頼していましたが、出てくるグラフはエンドユーザーにとって非常に使いづらいものだったんですね。それでエンドユーザーは仕方なく、自分たちでExcelで加工していたわけです。

 Tableau Softwareが登場したことで、エンドユーザーにデータを渡して、Tableau Softwareでグラフ化をしてもらおうという動きと、IT部門側がTableau Softwareを導入する動きが出てきました。前者の場合は、IT部門もエンドユーザーもOKなのですんなりいきますが、後者の場合はIT部門側とエンドユーザー側がデータを巡ってケンカになることもあります。それでもエンドユーザー側にファンが増えれば、IT部門もNOとは言えないですよね。


可視化の例 「企業の成長史

--ファンはどのように増やしているのか。

 これは面白いのですが、例えばマーケティング部門がTableau Softwareを使ってプレゼンテーションをします。すると、自由自在にグラフを変えて見せるんですよね。それを見た人事部長が「それは何? PowerPointじゃないよね」と興味を持ちます。結果、人事部でもTableau Softwareを使うようになります。こういったケースは非常に多いですね。

--日本のカントリーマネージャーとして一番注力していることは何か。

 顧客に応えることです。これまでのBIは大企業向けが中心でした。でもTableau Softwareは中小でも使えます。すぐに買えて、すぐに使えて役立つため、小さい会社でも導入効果を上げられます。大企業に対しても、クチコミで広がって毎日のようにオーダーが入ります。普通、IT企業は見込み客を見つけることは大変ですよね。しかしTableau Softwareは電話もダイレクトメールも不要です。それがすごく楽しいですね。

 さまざまな顧客から問い合わせがありますが、われわれが出向いてデモをしようとすると「もう良さはわかっているからいい。買い方を教えて」と言われることが非常に多くあるという状態です。そして、導入した企業がが満足して、さらに機能を使いこなそうと考えます。例えば、2014年の9月にシアトルでTableauのカンファレンスが開催されたのですが、7500人を集め、7月にはチケットが売り切れました。17万円の有料カンファレンスが、です。

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