Google Atmosphere Tokyo

イベント「Atmosphere」に見るGoogle for Workの現在 - (page 2)

大河原克行

2015-06-18 13:06

鹿島章氏
プライスウォーターハウスクーパース 常務取締役 パートナーコンサルティング代表 鹿島章氏
野々垣典男氏
ジェイティービー ITマネジメント担当執行役員兼JTB情報システム 代表取締役社長 野々垣典男氏
宮本眞一氏
ミサワホーム 企画管理本部 情報システム部長 宮本眞一氏
阿部伸一氏
グーグル Google for Work日本代表 阿部伸一氏

ITの標準化が遅れている

 パネルディスカッションでは、「ITのリーダーがもたらす企業のイノベーション。Google for Work を使って、何が変わったか」をテーマに、プライスウォーターハウスクーパース 常務取締役 パートナーコンサルティング代表の鹿島章氏、ジェイティービーの執行役員ITマネジメント担当兼JTB情報システム代表取締役社長の野々垣典男氏、ミサワホーム 企画管理本部情報システム部長の宮本眞一氏が登壇。グーグルのGoogle for Work日本代表の阿部伸一氏がモデレーターとして進行した。

 プライスウォーターハウスクーパースの鹿島氏は、「日本の企業は国内市場にほとんど投資をしていない。新興国への投資を増やしている。投資をどう効率的にリターンに結びつけるかが課題である。また、働き方を変えて、日本の企業の労働生産性を高めることが必要である。さらにグローバル化が進展するものの、ITの標準化が遅れており、これが低い労働生産性につながっている」と語った。

 「Googleのツールを活用すると、日本の企業の働き方が変わり、スピードがあがり、生産性があがるという例がすでに出ている」(鹿島氏)

 JTB情報システムの野々垣氏は、「2009年7月からGoogleを活用したメールシステムを導入した。最初はコストが安いということがメリットだったが、ユーザーの立場からみると使い勝手がよく、グローバル化、スピードを持った経営といった点でも、うまく活用できていると考えている」と同社の取り組みを解説した。

 「メールサーバの管理作業を行う必要がなくなり、夜間にパッチを当てるということも不要になった。情報システム部門は、本来やるべき仕事に傾注できる。こうした環境を推進するきっかけができた」(野々垣氏)

 ミサワホームの宮本氏は、「当社でGoogle Appsが稼働したのは2012年。当時はグループ会社を含めるとさまざまなシステムを動いており、重複投資もあった。住宅メーカーは現地に行くことが多く、移動に時間がかかるため、どこででも使えること、さまざまなデバイスで利用できることからGoogleを選択した」ことを明かした。

 「住宅メーカーの営業は、顧客の年収などのセンシティブな情報を扱っている。セキュリティをプロに任せていることは安心感にもつながる。また、隙間時間の活用ができるようになり、細かいことが処理できるようになった。東日本大震災のときには数時間かけて会社にこないと仕事ができなかったが、今はそんなことをせずに自宅からも仕事ができる。周回遅れからトップランナーを目指したが、それが実現できた」(宮本氏)

Renée Niemi氏
GoogleでAndroidやChromeでfor Workとfor Educationのディレクターを務めるRenée Niemi氏

モバイルを民主化することが当たり前

 GoogleでAndroidやChromeでfor Workとfor Educationのディレクターを務めるRenée Niemi氏も「Googleが提供するデバイス最新情報:Android for Work, Chrome for Work」をテーマに講演した。

 Niemi氏は「AndroidとChromeで選択肢、シーレスな体験、ビジネスの俊敏性というメリットを提供できる。利用者は、使いたいデバイスを選び、セキュリティの高いプラットフォームの上で活用できる。さまざまな場所からさまざまななデバイスを使って、同じデータにアクセスできる。モバイルの世界では、ビジネスのスピードが速い。それに対応できるプラットフォームが必要である」と同社の製品群のメリットを強調した。

 Niemi氏は「もはやモバイルを民主化することが当たり前であり、すべての人がモバイルデバイスを仕事場に持ち込む時代になってきた。これから先もモバイルは続く。ビジネスを再定義して、モバイル技術を享受すべきである。今後5年ですべての企業がUberになりうる可能性がある。何ができるかを考えてほしい」と締めくくった。

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