7月29日と30日に開催された「Google Atmosphere Tokyo 2014」の2日目、エンタープライズ向けGoogle製品の最新情報を網羅した基調講演でスタート。続くブレイクアウトセッションでは、最新情報の詳細や企業の成功事例を通じて、実際の利用場面や使い勝手などに関する情報を共有する機会を設けた。
午後のブレイクアウトセッションでは、それを示すようにグーグルのエンタープライズ部門SMBセールスプロダクト&テクニカルマネージャーの佐藤芳樹氏が「ポストPC時代のワークスタイル改革を支えるChromebook/Chromeboxの全貌」と題して、ChromebookとChromeboxに関する最新状況について言及した。
佐藤氏は、「このセッションでは、OSとしてChromeを採用するコンピュータの機能と特性を理解し、ビジネスシーンでの活用法と管理手法を通じて、どんな効果があるのかを示したい」と切り出した。
佐藤氏は、冒頭にデジタルデバイスの動向を示してみせた。
「今から5年前には、世の中で利用されるデバイスの70%がWindowsであった。だが、1年半前には、Windowsのシェアはわずか24%になった。Windows以外のデバイスが増加しているのがここ数年の特徴だ。また、ホワイトカラーでは、1人3台の端末を所有しているという調査結果もある」という事実を示した。そこからこう続けた。
「プラットフォームが大きく変化し、デバイスの種類が変化しており、これとともに、業務システムやアプリケーションもそれぞれのプラットフォームに対応しなくてはならないという状況が生まれてきた。その中で、有効なソフトウェアがブラウザである。GoogleのChromeブラウザは2年前から世界シェア首位になっており、さまざまなデバイスで利用されている。一方で、タブレット端末が急速な勢いで拡大しており、持ち運びが便利、PCでできることがタブレットでもできる、長時間利用できるといった理由から、すでにノートPCよりもタブレットの出荷台数の方が多くなっている。しかし、ビジネスシーンでタブレットを利用するには、文字入力がしにくい、USBポートがないといった課題もある」(佐藤氏)

Chromeブラウザは首位に立っている
そうしたなか注目を集めているのが、Chromebookだという。
米国におけるビジネス向け市場では、Chromebookの販売台数シェアは21%にまで高まっていることや、2014年4~6月には教育機関に100万台のChromebookが導入されたことなどを示しながら、「セキュリティ面で担保できること、200~300ドルという低価格で販売されており、導入コストを低く抑えられるといったメリットもある。市場を変えていくことができるデバイスである」と強調した。
また、「ChromebookやChromeboxは、Chromeブラウザをより快適に動かすために登場した製品」だと背景を説明。日本でも7月14日に、日本エイサーが日本市場向けにChromebookの投入を発表した。デルやASUSも投入を明らかにした。「ASUSによるChromeboxは、小型のデスクトップのようなものであり、ノートPCよりも軽くて小さい。先日、ノートブックの代わりに、デスクトップを家に持って帰るという新鮮な体験をした」として会場を笑わせた。
Chromeブラウザの特徴については、「スピード、シンプル、セキュリティという3点を追求した」とのこと。特にセキュリティに関しては「ネットに接続すると常にセキュアな環境に自動更新し、更新を重ねるほど快適になること。また、フィッシング対策機能を標準で搭載しているほか、1つ1つのタブを独立して動かすことができるサンドボックスの機能を搭載している」と述べた。
さらに、6月26日には、Chromeブラウザにおいて、Word、Excel、PowerPointといったOffice製品をそのまま表示し、編集できる機能を搭載したと発表。「これは要望が多かったもの。多くの人の使ってもらえるようになる」と強調した。