2013年、Googleはエンタープライズ市場に向けて突進した。「Chromebook」や「Chromebox」の進化、セキュリティの改善、そして魅力的な価格体系などを見れば、Googleがエンタープライズ顧客のポートフォリオを確立しようと努力していることは明らかだ。
よりビジネス顧客に受け入れられやすくしようとGoogleが取り組んでいる製品の1つに、「Google Cloud Platform」がある。Googleはこのサービスに新しい機能で付加価値を与えているものの、これがAmazonの「AWS」やMicrosoftの「Azure」に支配されている市場で戦っていけるかは未知数だ。
Googleの技術インフラ担当シニアバイスプレジデント、Urs Hölzle氏
提供:Stephen Shankland/CNET
Google Cloud Platformは同社のIaaS(サービスとしてのインフラ)で、ユーザーはこれを使って規模の変化に対応できるウェブアプリケーションを構築し、ホストすることができる。このサービスは、技術的に言えばオンラインビジネスを構築する際に必要なもの全般をカバーするツール群だ。現時点では、Google Cloud Platformは次のツールから構成されている。
- Google App Engine
- Google Compute Engine
- Google Cloud Storage
- Google Cloud Datastore
- Google Cloud SQL
- Google BigQuery
- Google Cloud Endpoints
- Google Cloud DNS
Google Cloud Platformのマーケティング責任者であるBrian Goldfarb氏は、Googleは同社のデータセンターとデータ処理技術の「歴史とこれまでの投資」を活かして、その知見を一般に提供しようとしているのだと話す。この話の最も刺激的なところは、このインフラが企業に提供する可能性の幅広さだ。
「インフラプロバイダであることの利点は、ユースケースが基本的に無限であることだ」とGoldfarb氏は言う。
2014年の開発者会議Google I/Oの基調講演で、Urs Hölzle氏とGreg DeMichillie氏は、Cloud Platformユーザー向けにさらにいくつかのツールを発表した。「Google Cloud Dataflow」は、「MapReduce」の後継となる、データパイプラインを作成するための手段だ。両氏はまた、複数の小規模なツール(Cloud Save、Cloud Debugger、Cloud Trace)も発表した。
ForresterのアナリストであるJames Staten氏によれば、Googleはクラウドサービスを構築してきているが、それらを競合他社の製品と差別化するのに苦労しているという。
「彼らは開発者にとって興味深いものをいくつか発表している。特にビッグデータに関するものは興味深く、現在クラウドプラットフォームとして本格的な差別化に成功しているのはこの点だけだろう。このため、Googleはこれを足掛かりにしている」とStaten氏は話す。
Forresterが把握しているクラウドプラットフォームユーザーの数でいえば、Googleは最下位クラスでこそないものの、差別化ができていないため、トップ5にはまったく及ばない。