トキワ、VDIを構築--セキュリティ強化と場所を問わない仕事環境へ

NO BUDGET

2015-06-29 19:10

 化粧品OEM専業メーカーのトキワは、戦略的な情報活用を図って新たに仮想デスクトップ環境を構築した。プロジェクトを支援したネットワールドが6月29日、ユーザー事例として公開した。

 トキワは化粧品OEM専業メーカーとして国内大手。もともと鉛筆の軸板製造を手掛けてきた経緯から、大手化粧品メーカーから相談を受けてペンシルアイライナーなどの製品を複数開発し、マスカラ、口紅、ファンデーションなど幅広い商品を手掛けるようになった。現在では、国内外約300社の化粧品メーカーに対し、内容物から外装まで一貫して高品質な製品群を供給している。

 同社にとって、情報セキュリティの強化はOEMメーカーとしての最優先課題であり、また国内や海外の拠点を飛び回る社員の情報活用もIT環境における重要なテーマとなっている。これまでも自席PCに対してVPN回線でリモートアクセスできる環境を用意していたが、外出先から電話でPCの立ち上げを頼む場面も少なくなかったという。

 また、約500台のクライアントPCの運用保守・サポート対応の負担軽減も求められていた。こうした課題から、今回、クライアントPCを仮想デスクトップ化する基盤の構築を決めたとのこと。

 新たに構築した仮想デスクトップ基盤の中核として「VMware Horizon (with View)」を採用。ユーザーにできるだけ快適な業務環境を提供するため、高性能CPUと大容量メモリを搭載した最新型のサーバも新たに導入している。大量のデスクトップ環境を収容するストレージとして、ネットワールドがEMC製エントリーストレージ「EMC VNXe3200」を導入したとのこと。

 VNXe3200は低価格ながら、これまで上位機種向けの機能だったMCx(マルチコア最適化)をはじめとする多彩な機能を備え、将来的な発展性も十分に確保されていると点が採用の理由という。

 仮想デスクトップ基盤は5月末より本番稼働を開始し、まず約100ユーザー程度で利用を開始。段階的に300ユーザー程度まで規模を拡大していく予定。デバイスや場所を問わず情報が活用できるようになることで、業務効率化や生産性向上などのメリットを期待している。

 VNXe3200の高いパフォーマンスによりユーザーに快適な業務環境が提供できるようになり、今後パフォーマンス不足が生じた際にも、ストレージ搭載のSSDをキャッシュとして利用できる「FAST Cache」機能を用いて改善させることが考えられているという。

 また、VNXeシリーズの特徴であるユニファイド機能を用い、ユーザープロファイルをVNXe3200内に作成したCIFS領域に格納、別途NASストレージなどを用意する必要のないシンプルな構成を実現している。なお、このユーザープロファイル用CIFS領域は、仮想デスクトップ環境用のiSCSI領域と10Gbpsで接続されており、将来的な負荷増大にも問題なく対応できると見込まれている。

 VNXe3200は、標準で付属する専用ストレージ管理ソフト「EMC Unisphere」で一元的な管理が可能なほか、ボリュームウィザードやVMwareウィザードなど各種のウィザードも用意されており、シンプルで効率的なストレージ運用管理が可能となった。


 トキワでは今後、VNXe3200のシンプロビジョニングや圧縮、重複排除といった各種機能を活用し、リソースの最適活用に役立てていくことも検討している。さらに将来的には、仮想デスクトップだけでなく業務サーバの収容先としてもVNXe3200の活用を検討していきたいとのこと。

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