2015年のIT投資増加は銀行、製造、公共など--IDC予測

山田竜司 (編集部)

2015-07-11 07:00

 IDC Japanは7月9日、IT市場産業分野別の調査結果を発表した。2014年の国内IT市場は多くの産業でIT支出が伸び、全体で前年比成長率が2.4%増。2015年の国内IT市場規模は14兆6435億円、前年比成長率は前年の反動減のため、0.5%減のマイナス成長と予測する。

 全産業を通じ概ね横ばいかマイナス成長を予測するが、比較的高めのプラス成長を予測している産業は、銀行(前年比成長率0.7%増)、組立製造業(同0.8%増)、プロセス製造業(同1.0%増)、公共/公益(同1.6%増)、官公庁分野(同0.7%増)とした。

 銀行では大手および地方銀行において大型案件が見込めるほか、製造業では、輸出産業を中心に円安の恩恵を受けて業績が好調となったことから、凍結していたシステム案件が再開し、同時に国内生産拠点を強化する動きも見られ、設備投資が進むと予測している。

 また、公共/公益では2016年の電力小売り完全自由化、2015年に始動する「マイナンバー制度」などがIT支出を後押しするとみる。

 2015年のクラウドやモバイル、ソーシャルなど“第3のプラットフォーム”市場は6.0%増成長、クライアント/サーバシステムを指す第2のプラットフォーム市場は4.4%減と予測。国内IT市場の構造変化は予測期間中も継続し、第3のプラットフォーム市場の2013年~2018年の年平均成長率(CAGR)5.6%で拡大し、第2のプラットフォーム市場は2.6%減で縮小に向かうと予測している。

 また、ユーザー企業調査結果からは、まず大企業を中心に第3のプラットフォームを導入し、徐々に中堅、中小へと浸透していく構図が見られたとした。


2015~2019年 国内IT市場 前年比成長率の推移予測(産業抜粋)(IDC提供)

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