アシストは8月5日、自社の勤怠管理システムにEnterpriseDBが開発するリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)の最新版「Postgres Plus Enterprise Edition(EE) 9.4」を採用したと発表した。システムのレスポンスを最大52倍向上させたという。
アシストは2012年に、マインドが提供するオープンソースの勤怠管理システム「MosP(モスプ)」を導入し、勤怠手続きのワークフロー化やペーパーレス化で業務を大幅に効率化させているという。2015年4月にオープンソースのRDBMS「PostgreSQL 9.3」からPostgres Plus EE 9.4に移行し、システム環境を刷新した。
Postgres Plus EEは、オープンソースRDBMSであるPostgreSQLをエンジンとし企業向けの機能と拡張性を備える商用RDBMS。PostgreSQLの標準機能に加え、GUIツールを備えており、商用RDBMSとの高い互換性があるとしている。
Postgres Plus EEで提供される機能の一つ「Postgres Enterprise Manager」は、グラフィカルな統合コンソールからデータベースを監視し、管理やチューニングに有用な情報を提供することで、データベースの運用管理を強力に支援すると説明。例えば、「SQL Profiler」や「Index Advisor」で負荷が高いSQLを容易に特定できるだけでなく、その負荷を軽減するためのインデックス作成のアドバイスも自動で提供する。これにより、効果的な索引を作成するなどアプリケーションの品質向上が図れるだけでなく、開発工数も削減できるという。
アシストは、Postgres Plus EEへの移行後、Postgres Enterprise Managerを利用してシステムの稼働状況を確認し、CPU負荷が高いSQLを特定、Postgres Enterprise Managerのアドバイスに従って適切な箇所にインデックスを作成した結果、システムのレスポンスを向上させることに成功したと説明。具体例は以下の通り。
- 管理者が勤怠データを一括表示する速度を最大52倍高速化
- 承認者が勤怠データを一括承認する時間を最大7倍高速化
アシストは今後、今回のシステム改善に関して得られた情報をMosPの開発会社であるマインドと共有し、Postgres Plus EEの機能を活用しながら自社の勤怠管理システムを改善していく予定。PostgreSQLを推奨データベースとするMosPで、Postgres Plus EEでの運用実績ができたことでMosP自身の品質向上につながることが期待されているとしている。