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避けることはできない--Google Carで浮かび上がるロボットカー社会への疑問 - (page 3)

三国大洋

2015-10-08 07:00

ロボットカーは自動車事故を減らせるか

 「自動車事故による死者が世界全体では年間推定120万人にも上る」という世界保健機関(WHO)のデータ(※4)がHonanの記事中にも引用されているが、これと同じデータに言及したThe Atlanticの記事には、「自動車事故の減少によって節約できる医療費は年間最大1900億ドルにも」などとするMcKinseyのレポートの数字も紹介されている。

 この記事によると、米国ではここ40年ほどの間にエアバッグの義務化などさまざまな安全対策が講じられた結果、「1970年に約6万人だった死者の数が2013年には過去最低の3万2719人まで減少」「ロボットカーの実現、普及で死者数を最大9割減らせるとすると、年間3万人弱の生命を救える計算」などといった試算もある。

 それとは別に、これは自動車自体というよりもむしろ法律=制度設計やその運用上の問題(欠陥)といえようが、たとえば中国では自動車事故を起こしたドライバーが被害者を故意に死に至らしめる事件が繰り返し生じている、といった話も一部で目にした。

 加害者からすると「大怪我を負わせた被害者の面倒を一生みるよりも、死亡事故として一時金で済ませたほうが負担が少ない(前者が数十万ドル単位であるのに対し、後者は数万ドルの単位。英語読者向けの記事なのでドルで書かれている)」「裁判では『アクシデントだった』などといかようにも言い逃れできる」といった状況が一部にあり、死なずに済む被害者を死亡させる、といったある種のインセンティブが働いてしまっているという。

 こうした話が本当なのか(※5)、それがどこまで深刻な問題になっているのかといった点は確かめようもないけれど、誤って傷つけてしまった相手を意図的に死に至らしめるというのは、事故を起こさないようにプログラミングされたロボットカーなら原則的に起こり得ない悲劇であることは間違いない。

(敬称略、以下は注釈と参照記事)

※1:主立った媒体の記事は下記のような感じだが、Googleで「japan robot taxi」と検索するとこれ以外にもたくさん記事がみつかる。

※2:Google Car試乗会のレポート

※3:融通が利かないロボットカー

※4:WHOのデータ

※5:Slate記事の筆者について
この記事をまとめたGeoffrey Santという法律家の素性はよくわからない。教鞭を執るFordhamという大学(ロースクール)は一応名の知れた学校ではあり、顧問を務めるDorsey & Whitneyという法律事務所のウェブサイトにはそれなりに信用できそうな記述には見えるが、どういう立場を取る人物であるかなどはすぐにはわからない。

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