Hewlett-Packard(HP)は米国時間10月21日、パブリッククラウドサービス「HP Helion Public Cloud」の打ち切りを公式ブログで発表した。終了は2016年1月31日で、その後はマルチパブリッククラウド、ハイブリッドクラウド戦略の下、「OpenStack」ベースの商用版「HP Helion OpenStack」やクラウド管理を強化していく方針だ。
HPがパブリッククラウドから撤退という憶測は4月に出ていたが、HPでHelion製品管理担当シニアバイスプレジデントを務めるBill Hilf氏は当時、自分のコメントが正しく理解されなかったとしてこのうわさを否定していた。今回の方針変更について、Hilf氏は「顧客が求めていることは、複数のクラウド環境を柔軟にエンタープライズ級のハイブリッドクラウドモデルの下で利用できるようにすることだ。このニーズに最高の組み合わせのパブリッククラウド製品で応えるため、パブリッククラウドでは複数のパートナーとの関係をベースとしたモデルに移行する」と説明している。
Helion Public Cloud終了後は、プライベードクラウド、マネージドクラウドにフォーカスを絞り込む。「ワークロード、ビジネスや業界の要件など、顧客のニーズに最適なクラウド環境を設計、構築、運用する」としている。パブリッククラウド事業者との関係を拡大し、HP Helion OpenStackとクラウドアプリケーション開発を支援する「HP Helion Development Platform」をベースに、クラウド間の移植性のあるアプリケーションの構築を支援するとしている。
また、管理製品の「HP Managed Virtual Private Cloud」などの製品にリソースを向けるとしており、この分野で数週間以内になんらかの発表を行うとも記している。
パブリッククラウドはAmazon Web Services(AWS)、Microsoft、Googleら多数が提供しており、競合が激しい分野だ。
HPは2014年に発表した分社化の下、グローバルでは11月1日にエンタープライズ向けのHewlett Packard EnterpriseとPC・プリンター事業のHP Inc.の2つの企業として再スタートを切ることになっている。