スプラッシュトップ、iOS端末をリモートサポートするソフトの法人販売強化

三浦優子 2015年10月28日 08時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 スプラッシュトップは、Windows PCからiOS端末をリモートサポートできる「Splashtop GetHelp360」の法人向けビジネスを強化する。

 Splashtopはシリコンバレーに本社を置く、モバイル対応リモートデスクトップソフトウェアを開発する企業。これまでiOSやAndroidのモバイル端末から社内のWindows PCにアクセスするするソフトウェアを提供してきた。

 今回の製品は逆にインターネットを介してWindows PCからiOS端末にリモートアクセスする。リモートデスクトップであることから、端末側にデータを置かずに利用可能で、万が一端末を紛失するような事態になっても、端末からデータが漏えいする心配がない。

Jin Koh氏
Splashtop バイスプレジデント Jin Koh氏

 「iPadやiPhoneを業務で使う企業が増えたが、アプリを利用していてトラブルが起こった際、電話を使ったリモートサポートが行われていた。今回、Windows PCからiOS端末を操作できることで、画面を見ながら指示できるようになり、サポートの負担は大幅に軽減する。iPadを使ったオンライントレーニングなどの用途が可能で、営業部門での利用をはじめ、大学など教育機関での利用、病院などでの利用も期待できる」(米本社 バイスプレジデント Jin Koh氏)

 すでに6月からApp Storeでアプリの提供はスタートしており、製品の特徴をアピールすることで日本での法人利用を拡大することを狙う。

AirPlayからAWSのリレーサーバに接続

 スプラッシュトップは設立以来、リモートデスクトップソフトに注力し、ビジネスを展開してきた。

 Koh氏は「米国ではこの3年間、PCの市場規模は横ばいで、今後もこの傾向が続くと見られている。対して、ノンPCデバイスは成長が著しい。仕事のやり方として、社内ではWindows PC、社外ではノンPCデバイスを利用するケースが増えている」と現況を解説した。

 「これまでリモートデスクトップといえば、社外のノートPCがVPN経由で社内にアクセスすることが多かった。リモートデスクトップ用ソフトではCitrixやMicrosoftなどが主要プレイヤーだった。当社はノンPCとPCを結ぶリモートデスクトップソフト市場でメインプレイヤーとなることを狙っている」(Koh氏)

 GetHelp360は、iPadやiPhoneの画面をWindows PCにリアルタイムで転送する。仕組みとしては、iOSのAirPlayを通じ、iOS端末からAmazon Web Services(AWS)内のリレーサーバに接続。そこから対象となるWindows PCにアクセスする。

 「本来、AirPlayはローカルに利用するための技術だが、これを活用してインターネットでAWSのリレーサーバに接続し、Windows PCにアクセスする仕組みとなっている。従来、ローカルであればiOS端末からWindows PCにアクセスできたが、今回はインターネット越しにアクセスできることがポイントとなっている」(Koh氏)


GetHelp360の仕組み

 また、「従来製品から、データの差分だけを送付することで、リアルタイムで高速に動き、操作を行うと止まってしまうといったストレスがない」(Koh氏)と操作性の良さを製品の特徴としてアピールしている。

 Microsoft Officeなどメーカー自身がWindows PCとiOS用アプリの両方を発売するケースも増えているが、「Microsoft Officeに関しては、エンドユーザーには見せたくないデータが見えてしまう、マクロが動かないといった問題があり、当社製品を利用したいというユーザーが存在する。また、Lotus Notesを現在でも使い続けているユーザー、企業用独自アプリを使っている場合にも効果を発揮する」(スプラッシュトップ 代表取締役 水野良昭氏)点がメリットとなるという。

 こうした特徴を生かして、iPadやiPhoneをビジネスで利用する企業の営業部門など外出先でのサポート用途、オンライントレーニングでの利用、学校などでの利用を想定している。

 従来製品の企業での導入事例としては、従来は仮想デスクトップを利用していた損保が、iOS端末がバージョンの違いによってうまく動かないといったトラブルがあり、これの置き換えとして導入されたケースなどがある。決済システム、日報など従来は社内でしか操作が認められていなかったアプリケーションについても、データがiOS端末に残らないことから操作を認めるケースも出てきているという。

 教育機関での導入事例としては、文京区立茗谷中学校では教員が手にiPadを持って、生徒の間を自由に動いて指導する。従来のデスクトップPCから生徒を指導している場合、教員がデスクトップから動くことができず、指導スタイルが固定してしまう悩みを改善する点が好評だという。

 リモートデスクトップ技術の今後の活用として、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)分野での利用を想定した技術開発も同社内で行われている。

 「現段階で発表できるような段階にはないが、当社はデバイスからデバイスへの画面転送技術に強みを持っている。IoTではスクリーンサイズが異なる画面を転送することが必要になるため、当社の技術を生かすことができるのではないかと考えている。当社は120人いるワールドワイドスタッフのうち100人が技術者という技術志向の会社なので、社内では新分野の技術開発を進めている」(Koh氏)

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

連載

CIO
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]