ノークリサーチは、中堅・中小企業での「運用管理・資産管理」の利用実態とユーザー評価に関する2015年の調査報告を発表した。同調査の対象は、日本全国、全業種の500億円未満の中堅・中小企業で、調査時期は2015年7月。有効回答件数は1300社。
同調査では、導入社数シェア上位の製品、サービスを「統合運用管理型」と「資産管理重視型」にグループ分けし、それぞれについて詳細に分析している。調査結果では、導入社数シェア上位の製品/サービスとしては「Systemwalker」や「JP1」などの総合的な運用管理・資産管理アプリケーションと、「SKYSEA Client View」や「AssetView」などのPC資産管理に強みを持つ製品、サービスが比較的多く挙げられていることが分かった。
一方で、サーバ管理、ヘルプデスク、ジョブ管理といった他の構成要素に特化した製品、サービスは導入社数シェア上位には挙げられていないとしている。ノークリサーチでは、このような傾向から、中堅・中小企業における運用管理・資産管理アプリケーション市場において「総合的な運用管理・資産管理アプリケーション」と「PC資産管理に強みを持つ製品、サービス」の2つの動向を知ることが重要だとしている。
調査によると、「統合運用管理型」と「資産管理重視型」のいずれについても「パッケージ(社内設置)」が5割弱となっており、依然としてオンプレミス形態が多くを占めていることが判明した。

最も主要な製品/サービスの運用形態(ノークリサーチ提供)
しかし、「統合運用管理型」において「パッケージ(データセンター設置)」が23.4%となっており、また、「資産管理重視型」において「ASP/SaaS利用」が5.6%となっていることなどを考慮すると市場に変化の兆候も見られるとしている。
具体的には、管理対象となる業務システムがクラウドなどの社外に移行するケースが増えていくことで、運用管理や資産管理システムを社外に設置する傾向が強まる可能性があるとしている。
ノークリサーチでは、同調査リポートの中で、運用管理・資産管理システムを開発、販売するベンダーや販社、システムインテグレーターが今後注力していくべきこととして、「同市場では構成要素が多岐に渡るため、シェアや評価の前提や視点を常に確認しておくことが大切」「業務システムのクラウド移行は運用管理・資産管理システムの運用形態にも影響を与える」などを挙げ、社内環境とクラウドの統一管理や、スマートデバイス対応は今後の重要ニーズの1つだと指摘している。