SAPやオラクルとの競争で優位を狙うワークデイ - (page 2)

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2015-12-03 06:15

 JefferiesのアナリストであるJohn Difucci氏とBrad Zelnick氏は、調査ノートの中で、次のように述べている。

 2四半期前では、市場での競争が大きく激化した。Workdayは競争圧力について言及し、競争環境について、前四半期と実質的には変わらないと説明している。同社は引き続き、競合他社に対して自社が有利な立場にあると考えている。その一方で、Workdayは契約の支払い条件を変更する必要に迫られており、このことが第4四半期の支払額の伸び率予想に対して4ポイント、2017会計年度の料金収入伸び率に対して5ポイントの影響を及ぼすと説明している。Workdayは割引戦略を採用しているわけではないため、これらの影響は時間が経過するとともに逆転するはずだ。SAPとOracle(特に後者)は、今後も市場でWorkdayに対し極めて攻撃的な戦略を採り続けると考えられる。このことは、これらの既存大手企業のWorkdayに対する懸念を反映しており、これが今年の成長鈍化の主要な原因であると考えられる。

 SAPとOracleを相手とするWorkdayの戦いは、これからも一進一退が続くだろう。Workdayは今後も、財務管理サービスで大型契約を獲得していき、SAPとOracleの足下を崩す必要がある。JMP SecuritiesのアナリストPatrick Walravens氏は、この塹壕戦が今後どのように展開するかについて、次のように述べている。

 われわれは、WorkdayがOracleに敗北したとみられる医療事業者との18万人規模の人事管理案件について、2015年の初め頃から追跡している。当初この企業は「Oracle Fusion HCM」を試験運用していると報じられていたが、われわれの調査によれば、Oracleはこの企業と大規模な契約を結んだとみられる。この企業は現在、PeopleSoftを使用している。この企業の事業の性質を考えると、オンプレミスで導入できるオプションがあるソリューションが優先された可能性がある。Workdayは、3件の競合案件のうち2件でSAPとOracleに勝利したと述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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