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テクノロジで迫る沈没船の謎(2)--北極海に眠る19世紀の探検船 - (page 5)

Jo Best (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-12-30 07:00

 InSASシステムは他の手法では検出できない非常に小さな物体、すなわち脱落した艤装(ぎそう)、あるいは海底に横たわるロープや鉄のプレート、オールといった、えい航式のソナーでは検出することが難しい文化的な遺物を検出できると期待されていたため、海洋考古学に打って付けのテクノロジになると考えられていた。

 しかし2014年、チームが両調査海域で使用しようとした際、問題に遭遇した。ヴィクトリア海峡では氷が多すぎてこの潜水機を使用できなかった。そして、クイーン・モード湾では水深が浅すぎて安全な運用が期待できなかったのだ。

 このテクノロジは現時点で手に入る最高クラスのものだが、北極海という条件はあまりにも過酷だった。ある意味において、フランクリン隊も同じような状況にあった。

 フランクリン隊の2隻の船は、北極探検用の船としては当時まだ珍しい蒸気エンジン(鉄道用のエンジンを改修したものだ)とともに、Masseyのダブルアクション型という最新式のビルジポンプを搭載しており、12日分の石炭を積んで港を後にした。

 Harris氏は「その時まで(Masseyのポンプを)実際に見たことがなかった。それが目の前にあった」と述べるとともに、「これは当時、英国海軍にとって最高の装備だった。しかし、すべてがあまりにも速く変化していったため、当時のテクノロジの寿命はとても短いものとなっていた」と述べた。

 フランクリン隊が探検に出た5年後、彼らを捜索するために港を出た船のビルジポンプは、より新しいDauntonモデルへとアップグレードされていた。Harris氏は「工業発展時期には目まぐるしい速度でものごとが変わっていった。この沈没船は1845年時点の最新テクノロジを切り取ったスナップ写真のようなものだ」と述べた。

 Harris氏率いるチームはエレバス号の秘密を解き明かしつつ、同船に搭載されていた他のテクノロジを発見する作業を続ける一方で、新たにテラー号の捜索を開始しようとしている。

 Harris氏は「われわれは、5台のマルチビームソナーを駆使してヴィクトリア海峡を捜索し、2隻目の船の位置を特定するつもりだ。これは意義深い作業なのだ」と述べるとともに、「2隻の船はともに、国家の歴史的遺跡になるものだ。皆のためにこれらを保存、保護するとともに、その情報を解釈するには、当然ながら2隻目の沈没船も発見する必要がある。両船の運命の間に密接な関係があるのは明らかであるため、われわれは探検隊に何が起こったのか、時間をかけて解明していくとともに、できる限り多くの手がかりを見つけ出したいと願っている。2隻の船がその手がかりになるのは間違いない」と述べた。

 第3回「バルト海に眠る16世紀の軍艦」に続く。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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