ユーザーインターフェースの重要性
これらのコラボレーションツール導入の際に気を付けるべきポイントとしては、誰でも「簡単に」使えることだ。
弊社でも、以前はリモコン操作のビデオ会議システムを利用していたが、使い方がわからない、あるいは難しくて使いこなせないなどといった理由で、限られた部署でしか利用されなかった。
そこで、本社移転をきっかけとして、各会議室へビデオ会議端末を導入し、その操作インターフェースもタッチパネルにした。スマートデバイスの普及も後押しし、直感的なインターフェースとなっているタッチパネルでの操作は、マニュアルを参照しなくても社員は即座に使いこなすことができた。いまでは、全社で130台を超えるビデオ会議端末を配置し、月間3000時間以上の会議を実施するまでに至っている。
Cisco TelePresence(ビデオエンドポイント)では、部屋の大きさや参加人数などに応じモバイルデバイスから大規模会議室まで対応するIX、MX、SXシリーズという豊富なラインナップが展開されており、この全てのラインナップで同一のタッチパネルを利用することができる。インターフェースを統一することで、機種で使い方が変わるということが発生せず、利用者にやさしい環境を整えることが可能だ。
プロトコルの壁
会議システムの中で、電話、ビデオ、ウェブ会議が相互接続できることが重要と先述した。これまでは、ビデオ会議とウェブ会議ではプロトコルの違いがあり相互に接続できなかったため、会議室の映像と会議資料を共有するには、それぞれの会議を開催する必要があった。
しかし、今では、ビデオ会議とウェブ会議が統合されたサービスが登場したため、わざわざビデオ会議とウェブ会議をそれぞれ個別に開催する必要はない。
例えばCisco Meeting Room(CMR)は、いつでもどこからでもデバイスを選ばずに、音声、ビデオ、資料共有の技術を組み合わせて、あたかも同じ会議室で議論ができるような環境を提供する。CMR Premise、CMR Hybrid、CMR Cloudと3つのモデルがある。
- CMR Premise:予約フリーで個人用の仮想会議室へアクセスが可能
- CMR Hybrid:オンプレミス環境のビデオ会議とクラウド環境のWeb会議の統合会議を実現
- CMR Cloud:端末のみオンプレミス環境で、クラウド環境のビデオ会議インフラ、およびウェブ会議の統合会議を実現
ビデオ会議とウェブ会議を統合すると、それぞれのインターフェースから予約するのではなく、単一インターフェースから統合会議を予約することができる。ビデオ会議とWeb会議を統合することで、それぞれの利点欠点を補完し合える。
- ビデオ端末がない場合でも、インターネット接続できるPCがあれば、ウェブ会議から会議に参加することができる
- 多地点接続サーバの利用ポート数は高価なため、大人数が参加する場合はウェブ会議から会議に参加することでコストを抑制できる
- 外部ユーザーとの接続の場合、ビデオ会議システムでは利用ポートや宛先制御・着信制限などのコールポリシーを設定している場合は接続制限が発生するが、ウェブ会議からの参加の場合はウェブ会議のパスワードを入力することで、同一会議室に入ることができる
つまり、ビデオ会議とウェブ会議の統合会議が開催できることにより、さらなるコラボレーションの加速、企業間のコラボレーションの促進を実現することができる。