農業実証におけるデータ活用
富士通のデータ収集蓄積基盤に蓄積されたデータは、作物ごと、畑ごとなどで分類、集計され、変化や推移が分かりやすいように、グラフ化して表示される。ハナム省の事業に参加している農業従事者や、富士通、富士通ベトナム、イオンアグリ創造、JICAベトナム事務所では、インターネット経由でほぼリアルタイムの農作業の状況や作物の生育状況を確認可能である。
イオンアグリ創造の担当者は、これを利用し、日本国内のオフィスからインターネット経由で作業状況や農作物の生育状況を把握、現地の農業従事者へ指示や助言を行う。イオンアグリ創造の有識者と農作業者の間、農業従事者間で正確な情報をタイムリーに共有できるため、環境変化や農作物の状態に応じた迅速な対応が可能となる。
農作業履歴の一覧表示(富士通提供)
農作業時間グラフの表示(富士通提供)
市場価格情報調査におけるデータ活用
ベトナム政府女性連合の調査員が送信した店舗ごとの農作物商品の写真や価格などの情報は、富士通のデータ収集蓄積基盤上で集約され、ハノイ市の地図上にマッピングされる。JICAベトナム事務所、富士通、富士通ベトナム、ベトナム政府女性連合の調査員は、市場価格情報収集用のスマートフォンアプリを利用し、市場価格情報を確認できる。
市場価格情報の確認(富士通提供)
パイロット事業の評価
富士通と富士通ベトナム、イオンアグリ創造は、ベトナム国の農業へのICT導入、日本式農業指導、市場価格情報調査の有効性と効果について調査結果を報告書にまとめ、2016年3月にJICAベトナム事務所に報告する予定。