そうした仕組みのもと、富士通のIoT事業の最大のアドバンテージについて阪井氏は、「お客様とともにIoTを活用したデジタル革新に取り組む“共創”モデルを展開できること」を挙げた。
同社のIoT事業はプラットフォームやネットワークによるバックエンドだけでなく、センサ/デバイスによるフロントエンドまでカバーしているのが特徴だ。今後さらに顧客企業との間でどんな「共創」が生まれるか、注目しておきたい。
「新たな取り組みで小規模企業の会計業務を大幅に効率化したい」 (弥生 岡本浩一郎 代表取締役社長)
弥生 岡本浩一郎 代表取締役社長
弥生が先ごろ、主要顧客である小規模企業の会計業務を大幅に効率化する新たな取り組みについて発表した。岡本氏の冒頭の発言は、その発表会見で新たな取り組みへの意気込みを語ったものである。
新たな取り組みとは、同社の弥生会計シリーズなどと連携して各種取引データを自動で取り込み、仕訳するクラウドサービス「YAYOI SMART CONNECT」において、レシートや領収書などの紙証憑の取り込みに対応する新機能「スキャンデータ取込」を搭載。これにより、同社が提唱する「会計業務 3.0」を押し進めて「ペーパーレス経理」を実現しようというものだ。
スキャンデータ取込は、レシートや領収書をスキャナで読み取った画像からOCR(光学文字認識)処理によって自動で取引データを生成し、さらに取引データを仕訳データに自動変換する機能である。
電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件である「スキャナ保存制度」に必要なタイムスタンプの付与や証憑の検索、第三者承認などの機能も搭載することにより、これまで証憑の処理にかかっていた処理時間を約8割削減することができるとしている。これはまさしく会計業務の大幅な効率化につながる取り組みである。
この取り組みのさらに詳しい内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは同社が提唱する会計業務 3.0について取り上げておきたい。
岡本氏によると、会計業務 3.0とは図に示した進化の姿だ。証憑の整理から伝票入力や記帳を自動化することにより、取引発生から試算表や決算書作成までの中工程のさらなる業務効率化を実現し、会計業務を2.0から3.0に進化させる格好だ。
同氏は会見の最後に、「会計業務 3.0への取り組みはまだ始まったばかりだ。これから一層の深化を目指して、お客様の会計業務のさらなる効率化を追求していきたい」と語った。同社の会計業務 3.0へのチャレンジに注目しておきたい。
弥生が考える会計業務の進化