IBMは米国時間1月29日、The Weather Companyの「weather.com」をはじめとしたB2B、モバイル、クラウドベースのウェブ資産の買収を完了したことを発表した。The Weather Companyの会長兼最高経営責任者(CEO)David Kenny氏は、IBMでWatson事業部を率いる。weather.comを日本で展開する計画も明らかにしている。
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この買収は2015年10月に発表していたもので、weather.com、Weather UndergroundなどWeather CompanyのB2B、モバイル、サービス、およびThe Weather Companyブランド、そして法人向け事業ブランドのWSIをIBMが取得するというもの。TV事業のThe Weather Channelは対象としない。買収金額は開示されていないが、20億ドル以上と推測されていた。
IBMは買収したThe Weather Companyの技術を、コグニティブコンピューティング技術を利用するIoT Cloudプラットフォーム「Watson Internet of Things」の土台とする。IBMは2015年3月にIoTに30億ドルを投じることを明らかにしており、2社の技術と知識を組み合わせることで取り組みを加速する。
The Weather Companyのモバイルアプリは米国の利用者ベースで第4位で、クラウドサービスは毎日260億件の照会処理を行っているという。これを支えるThe Weather CompanyのクラウドデータプラットフォームをIBMのWatsonプラットフォームと統合することで、天気などのリアルタイム情報を企業やセンサのデータとの結びつけることが可能となるとしている。
また、IBMのクラウドデータサービスプラットフォームのスケールと機能を拡大するだけでなく、The Weather Companyのエンタープライズサービス機能とコンシューマーへのリーチを広い地域に拡大する。具体的には、weather.comを日本、中国、インド、ブラジル、メキシコの5カ国に拡大するとしている。
買収完了に伴い、The Weather CompanyでCEOを務めていたKenny氏がIBMでWatsonプラットフォーム事業を統括することも発表した。Watsonパートナーと開発者エコシステム、Watsonベースの新しいソリューションとAPIなどを監督するという。