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構造化データだけでは見えない--オープンテキストの戦略的情報活用法 - (page 2)

末岡洋子 怒賀新也 (編集部)

2016-03-10 17:37

製造業で特に大きな価値

 日本の組織は階層がたくさんあるので、コンテンツサーバのワークフローではなく、専門のBPMが必要です。BPMを使って稟議をまわしながらデータも一緒にデジタル化して送ったり、Faxで送ることは、特に自動化が進んでいて在庫を持たない製造業では大きな価値を生みます。

 グローバルでラインを管理する時、発注時に稟議も一緒にとり、クラウド化されているEDIでデータのやりとりができます。稟議のBPMもクラウドにのせ、決済も一緒に……と自動化が進みます。

 注文を出すときに決済書も一緒にクラウドにあれば、承認する人が順番に承認し、EDIのデータが必要なところに流れていくという仕組みができます。カンバン方式のように分刻みでラインを管理するとなると、できるだけロスがないようにする必要があります。また、注文した順番から部品が入らないとラインが止まってしまうこともあり、OpenTextではこれらすべてを管理できます。

BPM3社を買収

 OpenTextは、BPMを3社買収しました。それぞれ強みが異なり、金融機関の審査でよく利用されているGlobal 360、コールセンターなどサポート分野のBPMを持つMetaStorm(共に2011年)、そして稟議など社内のプロセスを管理するCordis(2012年)です。Cordisはマルチテナント化されており、同社買収によりEIM、EDI、IX(情報のエクスジェンジ)でも効果が出るBPMを提供できるようになりました。

――BPM分野のトレンドは?

 これまではどちらかというと生命保険など契約の審査のプロセスでよく利用されていました。このところ、製造業で部署を超えたドキュメントのやりとりなどで利用されるケースが増えています。

CMSとBPMの協働による効果

 ある顧客では、社内のプロジェクト管理で使ってもらっています。エンジニアが間接部門に依頼する際に、その仕事を誰に振るのか、誰がよく分かっているのかなども社内のプロセスとなります。そのような場合、ドキュメントとビジネスプロセスの管理により、誰にどの仕事を割り振ると効率化が図れるかが分かります。細かく指示が書かれた依頼書を付けるので、コンテンツマネジメントも一緒に利用することになります。

 コンテンツサーバはこれまで、部門内のデータを管理する目的で導入、利用されていましたが、このように違う部署やグループとのデータのやりとりや管理に使われるようになり、BPMとコンテンツ管理を併用することでコンテンツと一緒に渡し、相手からフィードバックが返ってくる、という事例が出てきています。

 これは仕事の効率化だけではなく、個人の評価にも利用できます。間接部門や契約スタッフの評価は難しいところがありますが、これならだれが、どのような仕事を、どれぐらいやっているのかがすぐに分かります。

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