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今週の明言

私たちはなぜAI研究に突き進むのか

松岡功

2016-03-11 12:00

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、米MicrosoftのPeter Lee コーポレートバイスプレジデントと、Nimble Storage Japanの西岡正 マネージングディレクターの発言を紹介する。

「AIを実現したいというのは人間の根本的な欲求である」
(米Microsoft Peter Lee コーポレートバイスプレジデント)


米MicrosoftのPeter Lee コーポレートバイスプレジデント

 日本マイクロソフトが先ごろ、米国本社の研究機関であるMicrosoft Researchのトップでコーポレートバイスプレジデントを務めるPeter Lee氏の来日を機に、AI(人工知能)分野において日本の産学官それぞれで第一線の研究者を招いて、同分野の研究開発の現状と将来をテーマにラウンドテーブルを開いた。Lee氏の冒頭の発言は、その議論の場で、AIに対する自身の見解を述べたものである。

 2010年から現職を務めているLee氏は、それ以前はカーネギーメロン大学コンピュータサイエンス学部の教授および学部長を歴任。また、2004年から2009年までの5年間は、米国防総省高等研究計画局(DARPA)においても最先端技術の研究開発に携わってきた。ミシガン大学でコンピュータ&コミュニケーションサイエンスの博士号を取得。まさにコンピュータサイエンスの専門家としてDARPAでも活躍してきた第一線の研究者である。

 そのLee氏をはじめとして6人の研究者がラウンドテーブルでそれぞれに語った内容については関連記事を参照いただくとして、ここではLee氏の発言から筆者が印象深かった内容を取り上げたい。まず、AI技術の研究開発の現状やMicrosoft Researchの取り組みについては次のように語った。

 「機械学習をはじめとしたAI技術は今後、人間社会に“破壊的な”変革をもたらすだろう。その影響の大きさは、かつてグーテンベルクが発明した活版印刷技術に匹敵するものだ。なぜか。活版印刷技術は知識へのアクセスを民主化しただけでなく、世界中の人々に学習する機会をもたらした。そのレベルが機械学習によって飛躍的に向上する可能性があるからだ」

 「Microsoft Researchではこの機械学習について、コンピュータが人間の言葉を理解し、人間と同様の視覚を持ち、人間の代わりに行動するといった3つの観点で研究開発を進めている。これらの技術レベルを高めれば、さまざままな用途での実用化が図られるようになるだろう。とはいえ、そうした今後のポテンシャルから言えば、今はまだ初期段階にあると考えている。したがって、実用化の一方で基礎研究も引き続き注力していく必要がある」

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