これまでオンプレミスのみでの提供だったが、2016年中にクラウドサービスとしての提供も開始する。「SAP Hybris Commerce」など他の製品との統合も容易になるとする。
同社が注力するエクスペリエンス構築技術については、春に発表予定の次期主力製品「SAP Hybris Commerce 6.0」より「SAP Hybris CX」という名称で提供する。ウェブコンテンツ管理ツール(WCMS)を拡張したもので、動的にコンテンツを管理でるほか、直感的に体験を構築できる「SmartView」などのツールも用意する。デスクトップ、スマートフォンなどさまざまな端末のタイプに対応する。これにより、コンテンツ管理だけでなく、体験の管理も簡単に実施できる。
これらの製品に加えてWalker氏が紹介したのが、ビジネスプラットフォーム・アズ・ア・サービス(BaaS)とするクラウドサービス「Hybris as a Service(YaaS)」だ。
YaaSは、SAP Hybris CommerceなどSAP Hybrisのフロントオフィス製品を拡張するパッケージやアプリケーションを開発、拡張、販売できるインフラを提供するパブリック型のクラウドプラットフォーム。SAP Hybris自身も利用しており、上記のSAP Hybris Profile、SAP Hybris Billingクラウド版などの土台となっている。
言語中立なので開発者は自分の好きな技術を利用して開発し、利用する側は独立したアップデートが可能なマイクロサービスとして実装できるという。開発したマイクロサービスを販売できるマーケットプレイス機能もあり、測定や課金などの機能も備える。
マーケットプレイスは現在、SAP Hybrisが開発したマイクロサービスが20種近く提供されており、サブスクリプション形式で利用する。今後は、パートナー企業のマイクロサービスにも門戸を開く。
Walker氏はすべてがクラウドと思ってはいないようだ。「クラウドをプッシュするが、両方の選択肢があり、両方を理解していることがわれわれの強み」と述べている。