米OracleとGEは4月21日、デジタル技術を通じて世界の産業用機器をネットワーク化するエンタープライズ向けプラットフォームを構築するため、戦略的パートナーシップを締結したと発表した。今後、両社の持つ製品ポートフォリオに対して補完的な製品やサービスを開発、統合していく。
GEデジタルは、同社の「Predix」を、安全性の高い機械データを対象としたPaaSへと投入、分析し、成果の獲得を目指す。Predixは、GEなどが推進するIndustrial Internetを実践するアプリケーションの開発や展開、運営、収益化のために、産業分野での経験を取り入れて開発された専用プラットフォーム。
一方のOracleは、同社のエンタープライズソフトウェア「Oracle Cloud Platform」や「Oracle Cloud Applications」、統合基幹業務システム(ERP)、サプライチェーンマネジメント製品において、Industrial Internetにかかわる機器の情報を、ビジネスプロセスの自動化や最適化などに活用できるようにする。またこれらを通じて、設備稼働状況の可視化やサプライチェーンの効率化、高度な製造工程管理、予防保全や品質管理、ロジスティックの効率化などにも貢献する。
今回のパートナーシップにより、GEのオペレーショナルテクノロジ(OT)とOracleのエンタープライズソリューションを1つに統合し、最適化を図る。ユーザーはオペレーショナルテクノロジ(OT)とインフォメーションテクノロジー(IT)の融合によるメリットを最大化できるとする。
Oracleの製品開発担当プレジデント、Thomas Kurian氏は以下のようにコメントしている。
「GEとOracleというインダストリー向けの2大企業はデジタルインダストリアルエコシステムを成長させ、顧客に変革のための最短ルートを提供するためのビジョンを共有しています。GEのIndustrial Internet Platformは業界におけるスタンダードを構築しようとしています。我々はOracleのエンタープライズ向けアナリティクスや業務アプリケーションにおける専門性を活用し、デジタルの力でインダストリアルカンパニーに向けてビジネスプロセスの変革を起こしていくソリューションの共同開発に取り組んでいきます」
また、GEデジタルの最高経営責任者、Bill Ruh氏は以下のように述べている。
「我々はITとOTが相互に交わることでお客様に大いなるメリットをもたらすという理念を共有する世界的なパートナーとエコシステムを構築しようとしています。Oracleはクラウドベースのエンタープライズソフトウェア分野におけるマーケットリーダーであり、そして我々はITとOTの融合を通じて、顧客たちにこれまで不可能とされてきた新たなインサイトを提供できるよう、Predixをベースにソリューションを共同開発しています」
また両社は、両社の広範囲なパートナーとのエコシステムを統合し、PredixソリューションとOracleのクラウドサービスの技術トレーニング、資格認証などを提供していく。