2週間で構築--「Oracle IoT Cloud Service」に見るPaaSの有効性

三浦優子 2016年04月28日 16時30分

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 日本オラクルはPaaSのCloud Platformで、センサなどからデータを中継し、通信保証を行うゲートウェイと、デバイス管理とストリーム処理というIoTフロント処理を行う部分から成る「Oracle Internet of Things(IoT) Cloud Service(CS)」を提供している。

 そこに連携するものとして、業務系処理のSaaSやカスタムアプリケーション、センサなどから獲得したデータを蓄積し、そこからデータを分析する「Database Cloud Service」「Big Data Cloud Service」を提供している。これは、IoTはセンサデータから異常を感知し、即座に対応するフロント処理部分と、長期的にデータを蓄積することでデータの価値を生むことになる蓄積という2つの要素が必要と考えているため。

 Cloud Platformはユーザーが必要とする機能などを用意しているPaaSであることから、サービス提供まで短期間であることが大きな特徴。実際に稼働している事例2つが紹介されたが、いずれも2週間で実証、検証を完了しているという。

海外の工場監視システムも2週間で

 日本オラクルは、IoTとビッグデータ領域のビジネス強化策として、モバイル端末、センサデバイスとアプリケーションを連携させるIoT CS、ビッグデータからビジネスの価値を導き出すプロセスを合理化するBig Data CSなどを積極的に展開している。

ソフトバンク IT統括 ITサービス本部 CPS事業推進室室長 山口典男氏
ソフトバンク IT統括 ITサービス本部 CPS事業推進室室長 山口典男氏
日本オラクル クラウド・テクノロジー事業統括 Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 担当ディレクター 杉達也氏
日本オラクル クラウド・テクノロジー事業統括 Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 担当ディレクター 杉達也氏

 4月26日に開催したイベント「Oracle Cloud Platform Summit Tokyo」の基調講演では、ソフトバンクと共同で展開しているレンタルバイクサービス「瀬戸内カレン」のサービス提供基盤として、IoT CSが提供されていることを紹介した。

 瀬戸内カレンでは、レンタルバイクに搭載している端末にクライアント認証処理、通信処理を肩代わりするアプリ「IoT CS Client Lib」を搭載して、バイクのID、GPS、充電座員量などのデータを管理。このデータと管理アプリ側をIoT CSがつなぐというアーキテクチャとなっている。

 同日に開催された会見の中で、このプロジェクトについてソフトバンクの山口典男氏(IT統括 ITサービス本部 CPS事業推進室室長)は「とにかく対応が早かった。2週間かからずに、実装から展開までが実現し、その後、数回実施している機能拡張についてもすでに対応が終わっている」と評価している。

 「短期間に実装、展開を完了できたのはPaaSが肝となっている。認証、暗号化、管理に関しては提供されているものを利用し、改めて考える必要がないことで短期間に確実に実装できた」(日本オラクル クラウド・テクノロジ事業統括 Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 担当ディレクター 杉達也氏)

 このケース以外にも短期間で実装できている。

 NECは、IoT CSとゲートウェイサーバの連携機能を検証した。同社の顧客が持つ海外の工場を想定し、稼働状況の監視、設備の故障監視などを目的にセンサからデータを収集し、異常があった際には日本のIT部門が簡単で安全に遠隔地からメンテナンスできるシステムを開発した。

 海外の工場からはアプリケーションの監視情報、センサデータが送られ、日本のIT部門は標準管理コンソールから異常がないかを監視。センサデータはリアルタイムイベント処理を通ってから蓄積され、海外の工場管理者が稼働状況、故障などの監視に利用できるというものだ。

NECの事例でのシステム構成イメージ
NECの事例でのシステム構成イメージ

 「偶然だが、これも2週間で実装している。ソフトバンクのケースでは日本オラクルのメンバーが3人関わったが、NECのケースはNEC側で実装などの作業したため、日本オラクルのメンバーは1人も関わっていない」(杉氏)

 このように先行ユーザー、パートナー企業の声としては、プロトタイプ開発までが1カ月程度と素早いサービス展開が可能で、ストリーム処理の判定ルールの開発時間を40%短縮するという生産性と保守性を実現している点を高く評価しているという。

 導入後についても、注文の精度が5%から12%に改善し、出荷の精度も3%から10%に改善した例、配送車両情報のリアルタイム情報化で配送コストを5~25%削減した例も出ている。

 オラクルは煩雑な通信制御の自動化、暗黙化、デバイスの一元管理でデバイス側のソフトウェアからクラウドまでの連携を加速化することや、ストリーム処理をビジュアルに追加、調整する、即時アクション指向のIoTの実現などにクラウドサービスが利用できることを紹介。実現可能なIoTとして、オラクルのPaaSとSaaSが連携できることをアピールし、IoT、ビッグデータ関連ビジネス拡大を目指していく。

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