新社名は「Dell Technologies」、「EMC World 2016」でデル氏が発表

鈴木恭子 2016年05月03日 16時19分

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 EMCは5月2~4日の3日間、米ネバダ州ラスベガスで同社の年次コンファレンス「EMC World 2016」を開催している。「MODERNIZE(モダナイズ)」をテーマに掲げた今回は、世界40カ国からユーザー企業やパートナー企業など約1万人が参加。日本からも約100人(訂正:初出時、異なる人数を表示しておりました。お詫びして訂正いたします。)が参加した。会期中は、40超のITリーダーによるセッション、500超のブレイクアウトセッションが行われる予定だ。

16回目を数えるEMC Worldも今年が最後となる(か?)
16回目を数えるEMC Worldも今年が最後となる(か?)

 基調講演には、2015年10月に同社買収を発表したDellの最高経営責任者(CEO)、Michael Dell氏が登壇し、新会社のグループ名は「Dell Technologies」になると発表した。エンタープライズシステム部門は「DELL | EMC」とし、引き続きビジネスを展開していく。

基調講演に登壇したEMCでCEOを務めるJoe Tucci氏(左)とDellのCEO、Michael Dell氏。「買収による統合」というよりも「経営者の世代交代」と指摘する声もあった
基調講演に登壇したEMCでCEOを務めるJoe Tucci氏(左)とDellのCEO、Michael Dell氏。「買収による統合」というよりも「経営者の世代交代」と指摘する声もあった

DellとEMCの統合で素晴らしい技術の会社を作る

 基調講演の冒頭に登壇したEMCでCEOを務めるJoe Tucci氏は「モバイルデバイスの急速な普及やIoT(Internet of Things)の台頭でデータがビジネスモデルを変革するようになった」と指摘。デジタル化(デジタルトランスフォーメーション)は、産業革命よりも大きな変革であるとし、「EMCとDellが統合することで、企業がデジタル化に必要な、あらゆるITインフラを包括的に提供できるようになる」と訴えた。

(おそらく最後の)EMC World基調講演に登壇したJoe Tucci氏
(おそらく最後の)EMC World基調講演に登壇したJoe Tucci氏
Dell氏は、エッジからクラウド、データセンターまでを1社で提供できるメリットを強調した
Dell氏は、エッジからクラウド、データセンターまでを1社で提供できるメリットを強調した

 もっとも、Tucci氏が登壇したのは、冒頭の10分間だけだ。今回の基調講演の主役は、同社買収元となるDellのCEO、Michael Dell氏である。Tucci氏から「自分が出会った中で一番の働き者であり、素晴らしい決断ができる賢い人物」と紹介されたDell氏は、買収後のビジョンやそのインパクトについて語った。

 「DellとEMCの統合で、素晴らしい技術の会社を作る」

 開口一番にDell氏が訴えたのは技術の重要性だ。

 現在80億個と言われているコネクテッドデバイスは、2000億個に達すると言われている。そこから収集されるデータをビジネスにどう活用するのか。Dell氏は「ITベンダーにとっては、こうした顧客の要望に答えることが、課題でありビジネスチャンスでもある」と説明する。

 仮想現実や人工知能、そしてIoE(Internet of Everything)により、ユーザー企業を取り巻く環境は急速に変化し、無限の可能性を秘めている。それを下支えしているのがITであり、求められているのは、エッジとなるデバイスからクラウドまでを包括的に提供できるベンダーだ。それがDell Technologiesであり、DELL | EMCであるというのが、Dell氏の主張である。

 「DellとEMCは補完性の強い関係にある」とDell氏は説く。Dellは中堅小規模企業市場で大きなシェアを占有しており、「デル・プロサポートプラス」で世界規模のサービスを提供している。また、世界各国でサプライチェーンのエコシステムも構築している。一方、EMCはエンタープライズ市場の大規模顧客を多く擁し、同市場でのコンサルティングのノウハウも「かけがえのない財産」(Dell氏)として蓄積している。

 Dell氏は、「両社が統合することで、あらゆるターゲットの製品ラインアップがそろう。同時に、大きな課題となっているセキュリティに対するソリューションもRSAやSecureWorksといったファミリー企業で提供できる」とそのメリットを強調した。

 統合後のすみ分けとして、Dell Technologies傘下にはクライアントビジネスとして既存のDellのPC部門、中堅小規模企業向け製品のほか、EMC傘下だった仮想化ソリューションのVMware、PaaSソフトウェアなどを提供するPivotal Softwareが入る。

 DELL|EMCにはセキュリティベンダーのRSA、エンタープライズ向けクラウド管理サービスのVirtustreamなどが入る。ただし、これらの事業体はいずれも独立した部門としてビジネスを展開しており、「買収後も、ブランド名は継続する形で事業を展開していく」(Dell氏)とのことだ。

 Dell氏は「統合によって技術イノベーションが加速する」と強調。「大規模組織になることで、意志決定と製品のバージョンアップが遅れるのでは?」との指摘に対しては、Dellが非上場企業(プライベートカンパニー)であることを説明し、「新技術に対する投資も積極的に行える。これまでのDellがそうであったように、両社が統合しても、意志決定の速さと企業としての俊敏性は失われることがない」と強調した。

新会社名はDell Technologiesになるが、各事業体の名前は残していくという
新会社名はDell Technologiesになるが、各事業体の名前は残していくという

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