医療法人社団水光会 宗像水光会総合病院は、ICTインフラを刷新するプロジェクトにおいて、仮想サーバと仮想デスクトップ(VDI)の基盤にコンバージドインフラを導入した。
これにより、物理サーバは61台から3台に削減され、情報系端末の更新も不要となり、今後5~6年で考えるとハードウェアコストは約4割削減されるものと見込まれるという。製品を提供したネットワールドが5月23日、ユーザー事例として公表した。
システム構成図(ネットワールド提供)
宗像水光会総合病院は、宗像医療圏内における中核医療機関として、充実した医療サービスを提供する福岡県福津市の総合病院。
開業より50年間にわたり地域の救急医療を支え、現在では300の病床と16の診療科に加え、心臓血管センターなどの先端医療施設から回復期リハビリテーション病棟まで展開しているほか、グループでは、高齢社会に対応した介護施設、在宅介護サービス事業所を運営し、地域に密着した医療・介護サービスの提供を行っている。
宗像水光会総合病院は、セキュリティの観点から医療業務系と情報系の端末を分けていたため端末数が2倍となり、また、医療業務の多くがシステム化され部門サーバーの数も年々増加し、運用・管理負荷が増大していたことから、今回、仮想化によるICTインフラの刷新に着手した。
そして、このインフラ刷新プロジェクトと同時期に新しく電子カルテシステムが導入されたため、インフラ構築は、高品質を確保しながら、できるだけ短期間で効率的に行う必要があり、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器、ハイパーバイザーなどの主要コンポーネントをあらかじめ検証済みの状態で提供するコンバージドインフラ「EMC VSPEX」を選定したとのこと。
新しいICTインフラは、物理サーバーにはVDI用4台と仮想サーバー用3台の合計7台の「Cisco Unified Computing System(UCS)」が用いられ、ストレージには2台のEMC VNX5200が導入された。VDI用サーバーでは約370台の端末が集約され、仮想サーバーは61台が稼働しているが、投資対効果を最大限にするために、VDIへのリソース割当量を最小限から徐々に拡張し、最適なスペックを探る方法を採用したことで、無駄のないリソース活用が実現できているとのこと。
新たなICTインフラでは統合管理が可能となったため、運用業務の省力化や効率化が実現しているほか、情報系端末をVDIに統合したことで端末の更新が不要となり、また物理サーバー台数は61台から3台に削減された。今後5~6年で考えると、ハードウェアコストは約4割削減されるものと見込まれるという。