MasterCardは、2016年末までにPizza Hut Asiaの店頭にソフトバンクのロボット「Pepper」を導入し、顧客とのやりとりやサービスの評価を行う試みを始める。今後はこれをきっかけに、オートメーション化の進展が人間の職業に与える影響についての記事が増えていくだろう。
今回のパートナーシップで、MasterCardは人型ロボットPepper向けの初のコマースアプリケーションを提供する。Pepperには、MasterCardのデジタル決済サービス「MasterPass」を利用するための機器が取り付けられる。Pizza Hut AsiaはシンガポールにあるMasterCard Labsが進めている取り組みに、パートナーとして参加する。
MasterCardが狙っているのは「カード加盟店と消費者の対話形式のコマース体験」と呼ばれるものだ。Pepperは顧客に対するサービスや商品情報、おすすめ情報などを提供する。Pizza Hutは、Pepperを利用した注文の受付や顧客への対応などをテストする。
果たしてPepperは、特にスマートフォンを多用する若年層に対して、人間よりもよいサービスができるのだろうか?その可能性はある。
最低賃金の上昇に伴い、今後オートメーションへの移行が加速する可能性が強いことを考えれば、Pizza Hut Asiaの取り組みは米国でも重要な問題だ。HfS ResearchのPhil Fersht氏は米国時間5月21日に、人間の労働者とオートメーションの対立について踏み込んだ記事を書いている。同氏は次のように述べている。
私は突然、職場の未来に関する核心となる問題に気づいた。それは、企業経営者や企業の利害関係者は、この30年のどこかの時点で、従業員を「歩くコスト」だと考え始め、自分たちのビジネスからできるだけ多くの従業員を減らす(ただし新聞の見出しにならないように)手段を知るために大変な関心を寄せ、大きなエネルギーを投じてきたという単純な事実だ。
本来、人間の労働者は、ビジネスの価値を高める大切な財産として捉えられるべきものであり、あらゆる手段で削る必要のある、利益を圧迫する要因として見られるべきではない。どこでおかしくなったのだろうか?
Fersht氏はこの後、雇用された人々が行っている仕事が、時が経つにつれて企業が求めるビジネス的価値の方向性に合わなくなっているという点を指摘している。その責任の一端は、企業だけでなく従業員にもある。しかし、企業幹部の観点から見ると、もっとも大きな目標の1つは、Gartnerが「デジタルワークフォース」と呼ぶものを育てることだ。もっとも重要なのはアルゴリズムだとGartnerは考えている。デジタル化は、歩くコストである人間をどれだけ置き換えることができるのだろうか。

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