デジタル未来からの手紙

AIによる人間なしで取引が可能な経済圏--「インテリジェントエコノミー」の未来 - (page 2)

林 雅之

2016-06-15 07:00

 特に、IT と金融、保険分野の融合による新しいビジネスモデルを生み出すFinTech の分野はこの動きが顕著である。「日本再興戦略2016」の第4次産業革命の実現に向けた中短期工程表によると、2016年度以降に、FinTechベンチャー創出支援や、銀行法などの一部改正法の早期施行に向けて所要の政令・内閣府令の整備などをあげている。これにより、金融機関と金融関連IT企業との連携強化を促し、オープンなイノベーションを活用したエコシステムの形成を進めていくという。

 FinTechの発展には、サービスのAPI公開による他社サービスとのAPI連携でサービス活用の広がりをつくる経済圏である「APIエコノミー」を形成していくことも大きなポイントとなるだろう。

 「IoTの先--あらゆるモノやコトがサービス化される世界」の記事でも紹介したが、IoTの先にある、"Everything as a Service"のサービスモデルが、市場に徐々に浸透していくと予想される。たとえば、自動運転車の普及が進むことで、「CaaS(Car-as-a-service:サービスとしての自動車)」の展開が進み、Uberが提供するタクシーの配車サービスなどとの連携による自動運転車をユーザー同士でシェアするシェアリングエコノミーの動きが進んでいくと予想される。

 さらには、インテリジェント化による可視化やリアルタイム性が高まれば、あらゆる分野で、必要なときに、必要なサービスが利用できるオンデマンドエコノミーの世界が進展していくことにもなるだろう。

 インテリジェントエコノミーが進展すると、産業構造の変化とともに、雇用形態も変化し、雇用の流動化が進んでいくことも想定されている。

 こちらでも紹介をしたが、経済産業省が4月27日に発表した「新産業構造ビジョン」の中間整理では、第4次産業革命の進展による産業構造や就業構造の劇的な変化を予測している。

 職業別の従業者数の変化(伸び率)を2015年度と2030年度で比較した場合、経営戦略策定担当、研究開発者などの上流工程では、現状放置では136万人減少するのに対し、「新産業構造ビジョン」による変革を進めた場合、経営・商品企画、マーケティング、R&Dなど、新たなビジネスを担う中核人材が96万人増加すると予測している。

 AIやロボットによる効率化や自動化により、経営やマーケティングなど、人間の判断や創造性が求められる業種への流動化が進んでいくと予想される。

出所:経済産業省 「新産業構造ビジョン」 中間整理 2016.4
出所:経済産業省 「新産業構造ビジョン」 中間整理 2016.4

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