Google Atmosphere Tokyo

クラウドで「柔よく剛を制す」:Google Atmosphere Tokyo 2016基調講演

阿久津良和

2016-06-15 07:30

 グーグルは6月14~15日、ワークスタイル変革にフォーカスしたイベント「Google Atmosphere Tokyo 2016」を都内で開催。ワークスタイル変革こそ技術・経営革新に必要な要素と捉え、自社のモダンツール活用こそ「働く」を変えるプラットフォームになると訴えた。本稿で初日14日に行われた基調講演の内容をお送りする。


Google グローバル Apps フィールド マーケティング ディレクター モリーン・ブラッドフォード氏

 最初に登壇した米Google グローバル Apps フィールド マーケティング ディレクター モリーン・ブラッドフォード氏は、今回のイベントテーマである「スマート」「モダン」「セキュア」が、ビジネスの可能性を広げる役割を持つと説明。同社のセキュアなクラウドプラットフォームが、人と人をシームレスにつなぎ、モダンなワークスタイルを実現すると述べた。ブラッドフォート氏は、日本の格言「柔よく剛を制す」を好きな言葉として引用し、クラウドの推進は柔軟に対応することで価値が生まれるとした。

 続いて登壇したフジテック 執行役員 情報システム部長 友岡賢二氏は、Google CEO Sunder Pichai氏のメールにあった「テクノロジは民主化のための力であり、情報を通じて人々を力付けるためのものだ」が心に響いたと語り、企業の情報システムはこの言葉を念頭に置くべきだと述べた。企業が直面しているクラウド&モバイルへのアプローチとして、「技術は人の能力を拡張する役割を活用すべきだ。スマートフォンに話しかけ、カレンダーにアポイントを登録するなど、自社のビジネスがAIによってスマート化する」(友岡氏)。そのようなプラットフォームとして「Googleは技術の魔法使い。使わない理由がない」(友岡氏)とした。


フジテック 執行役員 情報システム部長 友岡賢二氏

 友岡氏は、クラウド&モバイル導入における現場の課題として、ツールとニーズがマッチしない例を指摘。その上で、「ある日突然、ツールがビジネスソリューションにつながるタイミングがある」(友岡氏)とし、そこには「現場に足を運ぶ」「心が通う」「頭が働く」「手が動く」というPDCA的な4つのステップが介在すると説明した。現場に足を運んで互いの心が通い合うと本当に必要なものが見えてくる。さらに「答えは会社にない」(友岡氏)と強調し、聴講者全員にGoogleのユーザーコミュニティへの参加をうながした。コミュニティに参加して学び、貢献する。この流れがワークスタイル変革につながる道だという。

 エレベータやエスカレータのメンテナンスなどを行うフジテックでは、24時間365日の対応を求められるが、Googleの技術を活用し、現場で即断即決できるモダンワークを実現したという。例えば、Googleのマテリアルデザインを活用して自社アプリケーションの開発や、基幹システムにあるデータをGoogleマップで閲覧する仕組みを作り上げている。ここでは、基幹システムを変更せず、UI部分のモダン化に注力してきたという。

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