「Windows 7」と「Windows 8.X」のユーザーを対象に実施されていた「Windows 10」への無償アップグレードキャンペーンが7月29日に終了した。この期間については、Microsoftが5月に改めて述べていた通り、延長されることはなかった。
同日より「Get Windows 10(Windows 10を入手する)」のアプリやプロンプト画面によって、Windows 10へのアップグレードが促されることはなくなっているはずだ。
筆者は、この無償アップグレード期間の終了後に、Get Windows 10(GWX)キャンペーンや、Windows 10の「November Update」(「Version 1511」)の自動インストールがどうなるのかについて、詳細を洗い出そうとしてきた。
以下は、GWXキャンペーンの終了に関して、Microsoft(の広報担当者)との間で交わした質疑応答の内容だ。
Q:なぜ無償アップグレード期間が終了するのか?
A:最初から、無償でアップグレードできる期間は1年間と明言しており、1年という期間は、ユーザーがWindows 10に移行するうえで十分な長さだと確信している。そしてこれまでに3億5000万台を超えるアクティブデバイスがWindows 10にアップグレードされたことをうれしく思っている。
Q:3億5000万台のうち、無償アップグレードを通じてWindows 10に移行したデバイスがどのくらいあったのか、その割合を教えてもらえないだろうか?それが無理であればせめて、無償アップグレードにおけるMicrosoftの目標が達成されたかどうかを聞かせて欲しい。
A:われわれがWindows 10への無償アップグレードを実施したのは、世界のユーザーが最高の、そして最もセキュアな「Windows」のバージョンに容易にアップグレードできるようにするためだ。その結果、世界中の3億5000万台を超えるデバイスでWindows 10が稼働し、顧客満足度はどのバージョンのWindowsよりも高くなっている。われわれはこれまでの展開に満足しているが、そうした数値を挙げることは控えたい。
Q:「Anniversary Update」のリリース後に無償で、あるいは割引価格でアップグレードを提供する新たなプログラムの実施を検討しているか?それともその可能性はまったくないのか?
A:現時点では、新たな無償アップグレードプログラムを実施する計画はない(追記:ユーザー支援技術を使うユーザーへの無償 アップグレードは引き続き提供される)。
Q:自動アップデートを有効にしているユーザーに対して、7月30日以降もWindows 10が推奨アップデートとして提示されるのか?それとも提示されなくなるのか?
A:無償アップグレードキャンペーンはUTC-10の2016年7月29日午後11時59分に終了する。このため、Windowsアップデートプログラムを通じて推奨されることはなくなる(筆者注:この点についてMicrosoftが公式に言及したのは今回が初めてだ。過去数カ月間にわたって同じ質問をしてきたが、回答は得られていなかった)。
Q:MicrosoftはGWXのプロンプト画面が表示されなくなるまでしばらくかかると述べている。Windows 7やWindows 8.X搭載PCで7月30日以降にGWXのプロンプト画面が表示された場合、クリックするとどうなるのか?同OSへのアップグレード版の購入サイトが表示されるのか?
A:7月29日をもって通知は表示されなくなる。GWXアプリは、無償アップグレード期間の終了を告知する。なお、同アプリは適時削除される。
Q:アップグレードを目的としたWindows 10のメディア作成ツールは7月30日以降も利用可能なのか?
A:「Windows 10アップグレードアシスタント」とメディア作成ツールのいずれでも7月30日以降は、Windows 8.1とWindows 7からアップグレードを試みた際にまず、有効なプロダクトキーを入力するよう求められる。メディア作成ツールは、Windowsw 10のインストールメディアの作成に使い続けることができる。
筆者が28日に同社の広報担当者に照会したところ、Windows 10のAnniversary Updateをリリースする8月2日の時点で、PCやタブレット、「Xbox One」「Surface Hub」「HoloLens」のユーザーに対してISO版をリリースする計画があると確認できた(同社は以前、8月2日時点ですべての機器に対してアップグレードが提供されるわけではなく、段階的に提供されると述べていた)。
同社はWindows 10のAnniversary UpdateがMSDN上や「ボリュームライセンスサービスセンター」(VLSC)上でいつ利用可能になるのかについて、まだ公式に発表していない(この件については照会中だ)。早い段階で利用可能になることを願っている。
追記:本稿公開後、ボリュームライセンスサービスセンター(VLSC)上でAnniversary Update(1607)のダウンロードが始まったと、複数の読者から聞いている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。