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エンタープライズ市場攻略に向けてビッグデータ分野で進む買収

Andrew Brust (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-08-12 06:30

 筆者は2015年10月に、14件のビッグデータ企業買収事例を紹介する記事を書いている。この記事では、それぞれ事例を分類し、いくつかのトレンドがあることを説明した。一部のケースでは、買収はクラウド構築のために行われた。またあるケースでは、従来型のデータウェアハウスベンダーが、自社のスタックにビッグデータ技術を加えることが目的だった。ある事例にはプライベートエクイティが関わっていたし、別の2つのケースでは、オープンソース企業が買収されている。さらに、金融リスクマネジメント企業やメディア企業が、アナリティクス企業を買収した事例も見られた。

 この記事のあとも、いくつかの買収が発表されている。Microsoftは2015年12月にMetanautixを買収したし、SAPは2016年2月に「Roambi」を、Tableauは3月にHyPerをそれぞれ獲得している。また7月には、Teradataが英国のBig Data Partnershipを買収したと発表したのに加え、WorkdayPlatforaの買収計画を発表した。

 情報開示のために述べておくと、筆者はZDNetに寄稿しているほかに、かつてPlatforaの競合企業だったDatameerで市場戦略およびインテリジェンス担当シニアディレクターを務めている。このため、この記事ではWorkdayのPlatfora買収については、具体的なレベルの内容については触れないことにする。

 では、これら5つの案件について見ていこう。

MicrosoftのMetanautix買収

 MicrosoftがMetanautixを買収したのは、同社の製品「Quest」と、この製品が持つ、1つのSQLインターフェースで多くのデータストアを扱える能力を求めてのことだろう。Questは、Googleのテクノロジ「Dremel」や、「Apache Drill」のように、SQLであらゆるデータをクエリ可能にするゲートウェイを提供するものだ。このテクノロジーは、Microsoftの「Cortana Intelligence Suite」全体で役に立つ可能性がある。Questを利用すれば、データベースだけでなく文書やファイルに対してもクエリを実行することが可能だ。「Microsoft Office」のボットインターフェースでこの技術が使用される可能性もあるかもしれない。

 またMicrosoftはこの買収によって、元Googleのデータ専門家である、Metanautixの最高経営責任者(CEO)Theo Vassilakis氏も獲得することができた。Dremelの元になった論文は、Vassilakis氏がMetanautixを起業する前のGoogleに在籍していた時期に、共著者の1人として書いたものだ。Vassilakis氏は現在、MicrosoftでAzureデータパートナー開発マネージャーを務めており、Google以前にはMicrosoft Researchで働いていたこともある。

TableauのHyPer買収

 エンジンを手に入れる過程で人材も獲得したのは、Microsoftだけではない。TableauはHyPerの買収によって、OLAP/OLTPハイブリッドインメモリデータベース技術を手に入れた。同社は、この技術を製品の高速化に利用するつもりかも知れない。また同時に、欧州のエンジニアリング界でプレゼンスを確立することを目的とした、人材獲得のための買収だった可能性もある(HyPerはドイツ企業だ)。

SAPのRoambi獲得

 SAPのRoambi獲得には、興味深いループが存在する。Roambiを開発したMeLLmoを設立したチームには、BusinessObjectに2006年に買収されたデータ可視化ソフトウェア「Xcelsius」の開発元の共同創設者が含まれている。その後SAPが2007年にBusinessObjectsの買収を発表して、2008年に手続きを完了したため、XcelsiusはSAPの傘下に収まることになった。

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