東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は9月6日、同社タイ現地法人Toyo Business Engineering(Thailand)(B-EN-Gタイ)が、IoTを活用して工場内の設備の稼働状況をモニタリングする設備管理ソリューション「MCFrame SIGNAL CHAIN」の提供を9月12日より開始すると発表した。
日本ではB-EN-Gが、IoTを迅速に取り入れることができる設備管理ソリューションを、6月から提供している。
MCFrame SIGNAL CHAINは、パトライトのワイヤレスデータ通信システム「WD」を採用ししてB-EN-Gが開発したIoT基盤。WDは、積層信号灯に乗せるだけで動作情報をワイヤレスで転送することができ、面倒な配線工事がなく、導入コストも軽減できるワイヤレスデータ通信システム。
IoT活用への期待はタイでも高まっているものの、実際の製造現場では以下のような課題も多いという。
- IoTがどんな技術なのか全体像がつかみにくい
- トップや日本の本社からIoT活用せよといわれたが、何から始めてよいか分からない
- 本格的なIoT化の取り組みは、膨大なコストと長い年月のかかる大プロジェクトとなる
- さまざまなIoTソリューションがあるようだが、どのような場合、すぐに着手・活用できるのか分からない
- 新旧の多種多様なメーカーの設備が混在するため、どんな設備データを収集して全体管理に活用するかの判断が難しい
今回のB-EN-GタイによるMCFrame SIGNAL CHAINの提供開始は、こうしたニーズに応えたもの。設備の生産性向上と信頼性向上に継続的に取り組むことにより、利益を創出するプロセスの確立を支援するとしている。
MCFrame SIGNAL CHAINの主な特徴は以下の通り。
- WDから無線で稼動信号を自動で取得するため、工場内配線工事をすることなく簡単に設置が可能。設備トラブルの実績記録用に専用入力アプリを提供。
- アンドンやKPIなど多彩な切り口のアプリケーションを提供。設備状況はWebブラウザからリアルタイムで一括監視し、直感的なグラフ表現やアラートで見える化。
- 設備状況の表示は、停止時間、段取り替え時間など自由な切り口で分類・集計。設備の稼動分析によりオペレーションの効率化を支援。
MCFrame SIGNAL CHAINの導入により期待できるメリットは以下の通り。
- 設備総合効率(OEE:overall equipment effectiveness、設備の稼動効率を測る総合指標で、稼働率×性能×品質から求められる設備総合効率を示す)をはじめとする指標の管理
- 稼働状況の見える化
- 現場カイゼンにつながる
- 人のナレッジの集約と共有
B-EN-GではIoTを活用した製品開発に力を入れており、今後も本製品の機能拡張を強力に進めていく予定。今秋には第2弾として、収集したデータ結果の分析、予実乖離の原因把握、予兆管理、およびMCFrame生産管理や原価管理への連携などの機能を備えたオプションを提供する計画。
また、故障時の理由やコメントなどのアナログ情報を画像・映像の登録やSNSを用いて共有し、過去の蓄積データを活用しながらナレッジ共有する機能等も順次提供していく予定。なお、本製品は、MCFrameの生産管理や原価管理システムとは別に単独での導入も可能とのこと。