東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)と日本コンピュータ・ダイナミクス(NCD)は9月7日、B-EN-Gが提供するグローバルERP「A.S.I.A.」をベースにした「グローバル企業向けERPシェアードサービス」をNCDが提供すると発表した。
A.S.I.A.は、日本企業の商習慣に立脚しながら、グローバルでの経営管理をサポートする、日本発のグローバルERPパッケージ。世界各地で稼動するために必要となる多言語、多通貨、多拠点機能を持ち、会計から販売、購買、在庫といった幅広い業務に対応する多彩な機能モジュールを備える。
カンパニー別やビジネスユニット別などでの業績管理に対応し、日本本社から海外拠点の状況をリアルタイムに把握できるため、グローバルグループ経営のためのインフラとして活用できる。A.S.I.A.は世界22の国と地域の370社以上が利用しており、最新版であるA.S.I.A.GPは2012年のリリースから約2年間で100社以上が採用している。
NCDでは長年、中国ERPソフト「用友」を取り扱ってきたが、今回ASEANをはじめとする中国以外のアジア地域や欧米も含めたグローバルニーズに対応するERPとしてA.S.I.A.を提案する方針とし、A.S.I.A.販売に関する「セールスパートナー契約」を締結した。
新たに提供するグローバル企業向けERPシェアードサービスや海外現地法人へのA.S.I.A.導入を提案するほか、用友は中国向けと位置づけ、中国ではNCDの強みである用友とA.S.I.A.の連携提案も提供していく。
これにより、NCDは、日本の親会社と海外現地法人のシステム化ニーズに応えるサービスを充実させ、グローバルレベルでの柔軟かつ実践的な提案力を強化する。また、各グループ企業や海外現地法人が作成したデータの集中管理や、企業グループのグローバル経営管理にも繋げていくとしている。
新たに提供するシェアードサービスでは、サーバーやアプリケーションを個社で保有せずに、グループの複数社で共同利用するERPシステムとして統括会社(または任意の拠点)にまとめ、販売、購買、債権、債務、会計管理などのモジュールを共同利用(シェアード利用)できる。
1つのアプリケーションを共同利用した場合でも、帳簿は個社ごとに作成できる。また、プラットフォームについては、地域性やその国のインターネット事情等を考慮し、オンプレミスかクラウド環境を選択できる。
同サービスは、海外拠点の地域グループを一つの管理単位としてとらえ、例えば、ASEAN地域、中国地域などグループ企業間でのシェアを目的としている。また一般的なSaaSとは異なり、グループ内に異なる製品の工場や販社など多種多様な事業特性を持つ企業が存在することを想定し、一定範囲の機能追加やカスタマイズが可能としている。
グローバル企業向けのERPシェアードサービスのイメージ図(B-EN-G提供)
本サービスの主なメリットは以下の通り。
- 資産を一カ所で集中管理することによる、固定資産、保守費用の削減
- 経営管理品質の向上と均一化
- グローバル経営基盤の強化と高度化
- Analytics Serviceによる複数拠点分析(横並びで分析したい複数の拠点に対して同一条件での情報分析が可能)