この肥大化したメニューの問題は、エンタープライズ技術だけの話ではない。たとえば、Oracleのクラウドサービスを考えてみてほしい。Oracleは買収によって、さまざまなプラットフォームやブランドを取り込んできた。
Dellもさほど違いはない。もちろんDellのサーバ事業がなくなることはないだろうが、Dell TechnologiesはDellブランドのストレージ技術に加え、今やEMCのストレージ事業も抱えている。データセンター管理プラットフォームも2つ、VMworldを計算に入れれば3つになると考えることもできる。また、競合するコンバージドシステムもある。
今後顧客は、選択肢を増やすのではなく、減らすことを望むかもしれない。だが、合理化の問題点は、必ず一部に不幸になる顧客が出てくるということだ。
顧客にとっては幸いなことに、この不可避的に発生する製品の合理化には、何年もかかるとみられる。Dell Technologiesは当面、組み合わせ販売に力を入れる可能性が高い。
営業の進め方
エンタープライズ顧客は製品ロードマップや取引先の多様化などが気にかかるだろうが、日々のテクノロジの調達には人間が関わっている。
これまでの営業マネージャーはいなくなるのだろうか?
EMCの経営者は今後、Dell Technologiesのためにエンタープライズ事業を進めることになるが、多くの得意先は重複するはずだ。営業と顧客管理が衝突すると、問題が起こる可能性がある。
一非公開企業であるDellに営業の問題が発生するのは仕方がないことだ。顧客は、否応なしに起こる人員の再配置に注意を払う必要があるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。