エプソン、基幹・業務系システムをNECのハイブリッドクラウド環境へ一括移行

NO BUDGET

2016-09-12 12:35

 セイコーエプソンは、社内で分散稼働していた100種以上・300サーバ超のシステムを、仮想サーバ、物理サーバ、ハウジングサービスなどからなるハイブリッドクラウド環境へ移行した。クラウドおよびハウジングサービスを提供するNECが9月7日、ユーザー事例として公表した。


エプソンのシステム基盤全体像

 エプソンはこれまで、社内で分散稼働していた各システムのホスティングサービスへの移行・集約を進めてきたが、コスト削減には限界があったという。また、新事業への取り組みとして、例えばウエアラブルデバイスとITを組み合わせた新しいサービスの早期開発・リリースを行っていくために、ITリソースの迅速な調達や柔軟な拡張が可能な基盤環境へ変えていきたいというニーズがあったという。

 この課題に対しエプソンは今回、NEC神奈川データセンターで提供される「NEC Cloud IaaS」やハウジング環境を組み合わせたハイブリッドクラウドの導入により、さらなるコスト削減と新サービスの早期リリース対応を図った。

 具体的は、設計情報統合管理(PLM:Product Lifecycle Management)などの基幹業務はNEC Cloud IaaSの仮想サーバに、販売・人事などの業務系システムは物理サーバに、セキュリティ機器はハウジングサービスに、さらにデスクトップ環境もワークスタイル変革を推進すべく「NEC Cloud DaaS」(DaaS:Desktop-as-a-Service)へと、それぞれ移行。これらは全てNEC神奈川データセンター内でLAN接続され、高速・セキュアなシステム連携が可能となっている。

 環境の移行では、NECが移行ノウハウを提供、システムの種類で100以上、サーバ台数で300を超える稼働中のシステムを、当初予定通りの1年半でトラブルなくスムーズに移行でき、エプソンでは移行完了直後から、移行前と同等の運用を違和感なく再開しているとのこと。

 新たな環境へ移行した結果、システム運用管理コストを約20%削減できたほか、NEC Cloud IaaSの利用により、ITリソースの調達リードタイムを従来の数か月から1日に短縮し、新サービスの素早い開発・リリースを実現しているという。エプソンは、今回のクラウド導入実績を、将来的に目指すグローバルレベルでの業務オペレーションの全体最適化・標準化に向けたリファレンスとして、活用していく予定。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    2023年OTサイバーセキュリティの現状レポート--75%の組織が過去1年間に1回以上の侵入を経験

  2. セキュリティ

    サイバーセキュリティ強化に向けてマイクロソフトが示す実践的な指針を紹介

  3. セキュリティ

    5分でわかる「AWS WAF」--基礎知識から運用で陥りやすい3つの落とし穴までを徹底解説

  4. セキュリティ

    最前線で活躍するトップランナーと本気で考える、これからのサイバーセキュリティ

  5. 経営

    ガートナーが指南、迅速な意思決定を促す「AI」活用を実践する3つの主要ステップ

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]