産業用のモノのインターネット(IIoT)の潜在価値は大きい。Accentureは、産業用IoTの導入によって、2030年までに世界経済が14.2兆ドル分成長する可能性があると推計している。
これを考えれば、製造業の幹部を対象とした最新の調査で、製造業のほとんどの企業が、ほかのテクノロジ投資を減らしてでも、今後1年間のデータアナリティクスに対する投資を増やす予定だと回答したのも不思議ではない。
HoneywellとKRC Researchが、2016年5月23日~6月8日にかけて北米で製造業の経営幹部200人を対象に行った調査では、回答者の67%が、ほかの分野での投資を圧迫してでもアナリティクスへの投資を進める計画だと回答した。また15%は、所属企業のデータアナリティクス利用は、他社よりも進んでいると考えている。
その一方で、回答者の32%は、現時点ではデータアナリティクスに投資していないと回答しており、今後12カ月間でデータアナリティクスに投資する予定はないと述べている回答者も33%存在する。Honeywellがこの調査を実施したのは、2016年6月に「Uniformance」と呼ばれるアナリティクスプラットフォームをリリースした同社が、市場に対する理解を深め、産業用モノのインターネット(IoT)に関するコミュニケーションを改善するためだ。Uniformanceよりも、GEのプラットフォーム「Predix」の方が先にリリースされているが、明らかにHoneywellが市場に切り込む余地は残っている。
Honeywellのバイスプレジデント兼デジタル変革部門ゼネラルマネージャーを務めるAndrew Hird氏は、「Honeywellは40年以上にわたって、製造業者の目標達成を支援する優れたオートメーション技術を提供してきた。Honeywellの提供するIIoTは、その進化の次のステップだ」と声明で述べている。
データアナリティクスに投資する予定はないと答えた回答者のうち42%は、ビッグデータのメリットがよく理解できないと述べている。また35%は、世間ではビッグデータのメリットが強調されすぎていると考えている。さらに63%は単純に適切な取り組みを進めるだけのリソースがないと回答しており、39%はデータアナリティクスを最大限に活用できる適切な人材がいないと述べている。
ビッグデータのメリットに懐疑的な読者は、データアナリティクスへの投資に積極的な3分の2の企業幹部の意見に興味があるかもしれない。全調査対象の約4分の3は、ビッグデータはサプライチェーンの管理を改善するのに役立ち、効率と売上を向上させると述べている。70%はビッグデータを利用することで機器の故障を減らせることを認めており、68%は予定外の操業停止時間を減らせる可能性があるとしている。同調査によれば、予定外の操業停止は売上の最大化に対する最大のリスクだという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。