J.D.パワー アジア・パシフィックは9月14日、日本ITソリューションプロバイダー顧客満足度調査の結果を発表した。多くのユーザーはセキュリティ対策強化に課題を感じているものの、とベンダー側の活動とミスマッチがあることが分かった。
本調査は、全国の従業員規模50人以上の企業を対象に、情報システムの導入・構築事業者に対する満足度を明らかにすることを目的とし、7月に郵送調査によって実施されたもの。
調査では、業態ごとにITソリューションプロバイダを3つのセグメントに分け、集計している。各セグメントの回答件数は「コンピューターメーカー」が788件、「コンピューターメーカー系ベンダー」が1322件、「独立系/ユーザー系/事務機器系SIer」が3888件。また満足度の測定にあたっては、総合的な顧客満足度に影響を与える6つのファクターを設定し、各ファクターの総合満足度に対する影響度をもとに、総合満足度スコアを算出した(1000ポイント満点)。なお、ファクターごとの総合満足度に対する影響度は、「導入・構築対応」7%、「システム品質」23%、「障害・トラブル対応」7%、「コスト」9%、「営業対応」25%、「サービス提供体制」29%となった。
提供:J.D. Power
調査結果によると、本年の調査においても、今後システムの導入・構築によって取り組む課題として「セキュリティ対策の強化」を挙げる企業は依然として多く、昨年同様に5割を超えている。また、従業員数1000人以上の大企業においては、その割合は昨年よりさらに増加しており、セキュリティ対策は多くの企業で喫緊の対応テーマとなっていることが調査からもうかがえる。
しかしその一方で、この1年内にソリューションベンダー側からセキュリティ対策強化に関する提案・情報提供があったという回答は2割程度の低い水準に留まっており、顧客のニーズとベンダー側の活動にミスマッチが見られると同社は指摘している。
またその他の取り組み課題としては、本年はマイナンバーへの対応はある程度一巡していると見られ、「法令や制度変更への対応」については低下しているものの、「社内情報共有の強化」や「業務プロセスの見直し・効率化」といった点については昨年同様4~5割の企業が課題に挙げており、引き続きニーズが高い領域となっている。ベンダー各社にはセキュリティ面を中心に、顧客が直面している問題解決に向けたソリューション提案の更なる活性化が望まれるとした。
各部門における総合満足度ランキングは以下の通り。
コンピューターメーカー
提供:J.D. Power
コンピューターメーカー系ベンダー
提供:J.D. Power
独立系/ユーザー系/事務機器系SIer
提供:J.D. Power