2016年の「IT人材」と採用

「良いエンジニア」に来てもらうための“さらけ出し”戦略 - (page 3)

竹内真

2016-10-18 07:00

エンジニアに任せ、チャレンジの機会を与える会社が勝つ時代に

 これからの時代、組織におけるエンジニアの重要度は高まる一方なのは間違いありません。「良いエンジニア」から長く働きたいと思われ、強い会社になるためにはエンジニアを大切にすること、特にエンジニアが主体的に問題解決し続けられるような風土を作ることが重要です。ここでいう課題とは、技術的な課題だけでなく、経営課題や組織マネジメントなども含めたものを指します。

 たとえ給与や待遇面でエンジニアを入社させることができたとしても、エンジニアのやりたいことと、会社が求めていることが不一致になった途端、エンジニアのモチベーションはガクンと落ちてしまいます。

 さらに怖いのが意欲的な「良いエンジニア」がたくさん集まっているチームであっても、モチベーションが低いエンジニアが入ってきた途端、その雰囲気が他のメンバーにも伝播し、一気に組織としてのパフォーマンスが落ちたり、最悪「良いエンジニア」から退職するという流れが発生してしまうことまであります。例えスキル的に素晴らしいものを持っていて、喉から手が出るほど欲しい人材であっても、自分の対応可能な範囲しか仕事をやりたがらない人などは、飛びつきたくなるのをグッと堪え、立ち止まって採用するか否かを判断することが大切です。

 フェーズごとに「良いエンジニア」の定義は多少変わりますが、一貫しているのは成長意欲を持ち続けられる人材であることです。ビズリーチではエンジニアとデザイナーについては師弟制度を設け、強いエンジニアがポテンシャル人材を徹底的に鍛えるという制度をずっと続けてきました。

 これは「気になることがあればなんでも相談していい」というメンター制度とは少し異なり、「身につけたい知識やスキルは先輩の背中から学び、盗め」というメッセージを込めた制度です。「良いエンジニア」は素晴らしいサービスに携われること以上に、優秀な人と一緒に働ける環境に引かれるケースが多いため、この師弟制度も多くの面でプラスに働いていると感じています。

 また、新卒や若手、技術的な経験値が少ない場合でも、大きな仕事を任せることで、一気に開花する可能性のある人材には新規事業そのもののオーナーシップをもたせ、イノベーティブな成長ができる環境と機会を与えることを何度となく取り組んできました。

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