all engineer.jpは11月24日、エンジニアの「働きがい」と企業規模の関係についての調査結果を公表した。調査は11月9日から16日にかけてウェブで実施、対象は全国のメーカーで働く研究・設計・開発系の業務に就くエンジニアのうち、中小企業(従業員数300人以下)で働く200人と、大企業(従業員数1001人以上)で働く200人の計400人。それによると、企業・職場の満足度(5点満点)では大企業が3.12点に対し、中小企業が3.01点となったという。また、大企業では「仕事の規模が大きい」「ワークライフバランスが取りやすい」反面、「スピードが遅い」「社内が硬直化」するという課題があり、中小企業は「他社では作れないものを開発」「自分で設計から完成まで」できる一方、「業務負担が多い」「評価に偏りがある」といった課題が浮かび上がってきた。詳細な調査結果はこちらで公開されている。
主な調査結果は以下の通り。
企業・職場の満足度
勤務中の企業や職場環境について、項目別に満足度を5点満点で回答してもらったところ、「総合評価」の満足度は大企業が3.12点で、中小企業が3.01点となった。
中小企業と大企業を比較すると、中小企業が勝っていた項目は「仕事のやりがい」(0.08点差)のみであった。一方、大企業と比べて中小企業で働くエンジニアの間で特に満足度の低かった項目は、「研修制度」(0.97点差)、「福利厚生」(0.88点差)、「会社のブランド力」(0.86点差)だった。
企業規模によらずエンジニアが求める環境
アンケートでは、自分の働く企業・職場で「一番満足しているところ」と「一番不満を持っているところ」を自由回答形式で質問している。それによると、大企業でも中小企業でも共通してみられた傾向としては、エンジニアは業務で扱う技術の専門性・先進性、業務に集中できる環境を重視している点であることが見えてきたとのこと。
「一番満足しているところ」の回答例は以下の通り。
業務で扱う技術の先進性・専門性>
- ある分野を長いことまかされている。専門性を活かせる(大企業)
- 研究的要素が多く興味深い(大企業)
- 先端の開発にかかわっている(大企業)
- ○○用機器の開発で他社では作れないものを開発している(中小企業)
- その業界の最先端の製品や技術に関わる事が出来る(中小企業)
- 最先端の技術に接していられ、それに貢献できている(中小企業)
- 特殊な分野なので知られていないが、世間では必須なところなので、そこで仕事ができることは喜ばしい(中小企業)
業務に集中できる環境
- ソフトウエアエンジニアとして比較的自由に仕事ができている(大企業)
- ノルマでがんじがらめではなく、比較的自由に仕事できる(大企業)
- 個人の裁量に任されているところが多い(大企業)
- 自分のペースで仕事ができる(大企業)
- 不毛な仕事が無い(中小企業)
- 比較的自由に設計業務に集中出来る(中小企業)
- 一人で仕事に打ち込める環境である(中小企業)
大企業と中小企業それぞれのメリットとデメリット
一方、「一番満足しているところ」「一番不満を持っているところ」は、企業規模によって違いがみられる要素も多かった。
大企業では、満足している要素として「仕事の影響力の大きさ」「ワークライフバランスが取りやすい」「チャレンジできる」「給料・福利厚生が充実」が挙げられ、不満要素としては「経営層への不信」「スピードが遅い「組織の巨大化に伴う弊害」「仕事内容への不満」といった要素が挙がった。
逆に中小企業では、満足している要素は「顧客からのフィードバックが得られる」「業務範囲が広い」「裁量・影響力が大きい」「自宅から通いやすい」「柔軟な対応」「職場の人間関係」などで、不満要素は「業務負担が大きい」「人事評価に不満」「若手が育たない」といった項目が挙げられていた。