Windows 10の次期大型更新「Creators Update」、企業ユーザー向けにセキュリティなど強化

Mary Jo Foley (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2016-12-08 11:42

 Microsoftは10月、「Windows 10」の次期大型アップデート「Creators Update」で提供予定のコンシューマー向け新機能を発表した。そして今回、このアップデートで提供するよりビジネスユーザー向けの新機能を米国時間12月6日に発表した。

 同社はCreators Updateでセキュリティ面や管理面での機能強化に力を注いでいる。Microsoftによると、その最大の目的は、「Windows 10 Anniversary Update」で初めて搭載した「Windows Defender Advanced Threat Protection」(ATP)をさらに堅牢にするというものだ。

 ATPは、高度な攻撃を検出し、対応することを目的とした法人向けのサービスで、以前からある通常のWindows Defenderを超えるものだ。ユーザーに対して、侵入を受けてしまった後に、他の防御手段を突破した脅威を検出して、侵害の状況について調査し、対応する手段を提案することを目的としている。

 MicrosoftはCreators Updateで、メモリ内にしか存在しない脅威や、カーネルレベルでのエクスプロイトを検出するセンサの実現によって、ATPの検出能力を強化する予定だ。また同社は、IT管理者が自社固有のアラートを独自にATPに追加できるようにもする(同社は、これらのアラートを、顧客企業からの承諾を得たうえでATPの脅威データベースに追加することも考えている。ただし、この機能はCreators Updateには搭載されない)。さらに同社は、ATPでサポートされる修復のためのアクションを強化し、レスポンス時間のさらなる短縮を目指す。

 管理面に目を向けると、Creators Updateでは「Windows Upgrade Analytics」に新機能が追加され、特に「Windows Analytics Dashboard」まわりが強化される。この強化されたダッシュボードにより、各PC上で稼働する「Windows」のバージョンを管理するだけでなく、組織内のPCの状況に関するテレメトリデータをより一層把握できるようになる。

 Creators Updateには、レガシーBIOSモードを選択している「Windows 7」搭載機器をUEFIモードに変換する際の手間を軽減するUEFI変換ツールも新たに搭載される。同社によると、このツールは「System Center Configuration Manager」のような他の管理ツールに統合できるという。

 さらにCreators Updateには、モバイルアプリ管理機能も新たに搭載されるという。これにより、デバイス管理用の製品を別途用意しなくても、個人用データと仕事用データを隔て、アクセス制限対象コンテンツを適切に保護できるようになる。なお、サインアップはアプリ内から直接行えるようになる。

 Creators Updateで利用可能になる、上述したATP固有の機能は、「Windows 10 Enterprise E5」バージョンでのみ提供される。そして新しいモバイルアプリ管理機能は、Windows 10のすべてのバージョンで利用できる。Microsoftは、これらの新機能すべてを今後数週間以内にリリースするWindows 10のテストビルドで利用可能にする予定だ。

 また同社は、少し前からうわさされている「Microsoft Edge」の新しいセキュリティ機能についても作業を進めていることを最近認めている。ただ、ブラウザ内でコンテナベースの隔離を実現するというこの機能(開発コード名:「Barcelona」)が、Creators Updateに含まれるかどうかはまだ分かっていない。メインストリームユーザーに向けたCreators Updateのリリース予定日である「2017年春」までに十分なテストが行えなかった場合、2017年秋にリリースされると考えられる「Redstone 3」で提供される可能性もある。

 Creators Update(開発コード名:「Redstone 2」と呼ばれていたもの)のリリース予定日がMicrosoft社内で2017年3月とされている点は、筆者の複数の情報筋も認めている。


この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]