e-kakashiの影響
それほど昔ではないと思うが、タクシーに乗った時にカーナビが付いていないとちょっと不安というか不満に思った経験はないだろうか?一旦カーナビの存在を知ってしまうと、それ無しで目的地まで行こうとするタクシーにやたらと不安を覚える、という経験である。
e-kakashiでもそれと同様の事例が実際に起こっている。作物のバイヤーが、あるJAでe-kakashiで管理されて作物が栽培されているのを知り、実際にe-kakashiが提供する栽培データを確認し、これなら安心だと契約を結んだ例が出てきている。
これは前述の一度カーナビ付きのタクシーに乗ってしまうと、カーナビの無いタクシーに不安を覚えるのに近いかもしれない。しかしタクシーのカーナビの話よりはるかに実効的である。栽培データを取り、それに即した適切な判断が為され、さらに適切に作業されていたという情報を共有できるのである。これは作物の味などにも匹敵する付加価値である。単純な栽培記録ではない。
これも与謝野町に匹敵する成功事例と我々は捉えている。もちろん、ただ遠隔温度計で環境をモニタリングしていました、というのとはレベルが違う話である。これも手前みそで恐縮だが、e-kakashiが提供するekナビゲーションにより的確な情報提供及び記録と、地域のJAの努力があってこその先進的な成功事例である。
通常、農業においてはGAPが有名である。IT業界の人にはISO9000番台の農業版みたいなもの、といえばわかりやすいかもしれない。そこでは農作業の時期と内容が記述され正当な栽培が為されたことが、正当に記述されていることで品質を保証しようという動きである。IT業界の人であれば、ISOは大事だが、問題はそれだけやれば良いというのではなく、そもそもの品質管理が重要だという理解に異論はないと思う。その意味ではGAPも同様である。
私たちはe-kakashiはGAP対応ですか?という質問を受けることがあるが、そこで回答する内容もISOに似ている。
すなわち、e-kakashiで把握する情報は栽培情報として細目に渡るものであり、そこには計測データ、作業日誌的な作業記録が書き込めるようになっている。その中で、GAPに対応した記述部分を抜き出すか、またはGAP対応の作業管理システムと連携するなどしてGAPに対応するように設計されている。この場合GGAP、JGAP等も構造的には同じである。