クラウドインテグレーターであるアイレットとデータ連携ソフトウェアを提供するインフォテリアは1月23日、「データ分析基盤構築サービス」を提供することで協業すると発表した。一定期間単位で料金を支払うサブスクリプションモデルを採用している点を特徴としている。
このサービスはビッグデータ解析環境の構築、運用をAmazon Web Services(AWS)のデータウェアハウス「Amazon Redshift」をベースに提供するもの。
ビッグデータ解析の際に不可欠となる企業内システムとRedshiftとのデータ連携にはインフォテリアのEAI(エンタープライズアプリケーション連携)ソフトウェアである「ASTERIA WARP」を活用し、技術者でなくてもノンプログラミングでデータ連携や変換が可能という。Amazon Redshiftにデータを格納する際にもASTERIA WARPを用いることで、導入しているBIツールに適した形式に変換して格納する。
AWSの導入や運用、ASTEIRA WARPとRedshift、Redshiftと各種BIツールとの連携構築、Redshiftのパフォーマンスチューニングはアイレットが担当する。
ASTEIRA WARP CoreをAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)のm4.large(ストレージ容量100Gバイト)、Redshiftの dc1.largeを運用した場合の税別月額費用は23万円。2017年度は50件、2018年は100件の導入を目指す。
アイレット提供
サービス開発の背景として、これまでビッグデータ解析基盤を構築する際の初期投資が高額で投資対効果の検討が困難であり、運用管理の負荷が高い点を挙げた。これに対し、データ分析基盤構築サービスはAWSを用いるため、初期投資が少なく済み、モニタリングをアイレットに任せられるという。「運用ではなく、データ分析に集中してもらうためのサービス」(アイレット)
既に、小売店の来店者の動線をスマートフォンを利用して把握するプロジェクトの事例も出てきている。33万8000台のスマートフォンが、1カ月で3500万件のログデータ、10Gバイトのデータを分析したという。
アイレット提供
インフォテリアは今回、中小企業向けにEAIの基本機能を切り出した「ASTERIA WARP “Core”」を月額課金モデルでパートナー企業に販売を委託する「ASTERIA サブスクリプションパートナー」(ASP)制度を開始する。これまでのSIerなどのパートナーから、小規模システムや特定製品、クラウド型サービスとの連携をターゲットにしている。
この協業の開始にあたり、アイレットはインフォテリアが新設するASTERIA サブスクリプションパートナー(ASP)となり、ASTERIA WARP Coreの販売を開始する。
(左から)インフォテリア ASTERIA事業本部長 熊谷晋氏 インフォテリア 代表取締役社長 平野洋一郎氏 アイレット 代表取締役 齋藤将平氏 cloudpack 執行役員 後藤和貴氏