インフォテリアのブロックチェーンへの注力が加速している。4月25日に国内においてブロックチェーンの研究開発や実装推進を行う団体「BCCC(Blockchain Collaborative Consortium: ブロックチェーン推進協会)」が設立、理事長に代表取締役社長 平野洋一郎氏が就任した。
BCCCの理事長に代表取締役社長 平野洋一郎氏(中央)が就任した
27日には、インフォテリアのEAIソフト「ASTERIA WARP」上でプライベートブロックチェーンPaaSである「mijin」の機能をノンプログラミングでの使用を実現する専用接続アダプタ「mijinアダプタ(バージョン1)」の無償提供を5月16日から開始すると発表している。
続いて28日には2015年から連携を重ねてきたプライベート・ブロックチェーン技術を有するテックビューロへの出資契約の締結を完了したと発表。この出資契約により、インフォテリアはテックビューロの株式の一部を取得し、幅広い業界におけるブロックチェーン技術の普及促進を図る。ブロックチェーン応用ソリューションの企画や共同プロモーションなどを進めていく計画という。
ブロックチェーンに注力する理由についてインフォテリアは、「ブロックチェーンの中でもmijinのようなプライベートに運用できるブロックチェーンは企業IT分野で有望であると考えている」と説明。実際、テックビューロによると、住信SBIネット銀行では、すでに基幹システムである勘定系システムが、ブロックチェーンに代替できるという実験結果が出ているという。
ブロックチェーン技術を実際に企業のシステムで運用する際には、既存のシステムとのデータ連携にEAIが必要となる可能性が高い。金融機関や流通、製造業などで5000社以上の顧客を持つ同社ではブロックチェーン技術の推進により、データ連携のニーズを喚起したい考えだ。
金融・企業内システムにおけるASTERIA WARPを介したmijinの活用イメージ(インフォテリア提供)
ASTERIA WARPのFlow Designerでのノンプログラミングによるmijinアダプタ活用イメージ(インフォテリア提供)
ブロックチェーンをさらに推進するため、さくらインターネットを含め3社の協業で実施しているプライベート・ブロックチェーンプラットフォームでの実証実験を5月16日から6月30日まで実施する。期間中はASTERIA WARP、mijinアダプタ、mijin(4ノード)のセットをクラウド上の無償実証実験環境においても提供するという。