オープンソースと、オープンソースから生まれたもっとも著名な成果物であるLinuxは、本質的にアイデアの自由な交換を基盤としている。これは多くの場合無料の、オープンなインターネット上で行われているが、顔をつきあわせての話し合いも必要となる。Donald Trump大統領の無分別な入国制限大統領令は、このオープンソースソフトウェアの精神と真っ向から対立するものだ。
Linuxを開発したLinus Torvalds氏はもともとフィンランド国民だが、米国に移住して米国籍を取得した。これを考えれば、Linux界のリーダーがTrump氏の意見を非難するのは不思議ではない。
Red Hatの最高経営責任者(CEO)Jim Whitehurst氏は米国時間1月29日、ブログで「Red Hatとグローバル経済は、一般市民の保護と、人々が多様な背景を持っていることに対する認識の両方に目を向けた移民法の恩恵を受けている」と述べている。
同氏はTrump氏による入国制限の大統領令について、「この変化が、多様性の尊重を含むRed Hatの価値観と相容れないことに懸念を抱いている」と述べている。
この文章は「Red Hatの強みは、当社を構成する何千もの多様な声にある。テクノロジ業界を前進させようとする当社の継続的な取り組みは、世界中から最高の人材を集めることのできる当社の力に大きく依存している」と結ばれている。
またLinuxを最初にサポートした大手テクノロジ企業の1社であるIBMは、1月30日の社内メモで、「IBMの人間は、長年の歴史を通じて、イノベーション、繁栄、そして市民社会を前進させる道は、世界との関わりと開放性の道であることを学んできた。当社は、この価値観のために今後も取り組みを進め、この価値観を支持する」と述べている。
Ubuntuの初期の広告画像は、創始者であるMark Shuttleworth氏が持っているあらゆるもの受け入れようとするLinuxのビジョンを示している。これはTrump氏の排他的なスタンスとは正反対だ。