RDBの逆襲
ここまで、NoSQLを紹介してきましたが、RDBも機能拡張が進んできて、NoSQLが実現する機能をRDBが実装する例が増えてきました。
たとえば、PostgreSQLでは、9.4からJSONB型がサポートされました。この機能は、9.2でサポートされたJSON型をさらに発展させた形で、バイナリデータも扱えるようになりました。また、9.3からは、Foreign Data Wrapper(以降FDW)という機能が利用できるようになっており、MySQLやOracleはもちろん、MongoDBやRedis といったNoSQL、さらにはCSVやTwitterまでPostgreSQLで操作できてしまいます。
また、MySQLでも5.7.8からJSON型がサポートされていますし、memcachedのAPIでMySQLのデータにアクセス可能になっています。従来のMySQLからでもNoSQLからでもアクセスできるようになっています。DeNAのようにMySQLをNoSQLとして使う事例も発表されています。
このように、IoTで活用する時に便利な機能もNoSQLだけではなく、RDBでも実現可能になってきています。
現在ではNoSQLの躍進にRDBが受けて立つ形になっており、まだまだこの戦いは終わりそうにありません。
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(*1)3条項BSDライセンス:修正BSDライセンスともいわれている宣伝条項のないBSDライセンスのこと。
- 吉田行男
- 日立ソリューションズ 技術開発本部 研究開発部 主管技師。 2000年頃より、Linuxビジネスの企画を始め、その後、オープンソース全体の盛り上がりにより、 Linuxだけではなく、オープンソース全般の活用を目指したビジネスを推進している。 現在の関心領域は、OpenStackを始めとするクラウド基盤、ビッグデータの処理基盤であるHadoop周辺及びエンタープライズでのオープンソースの活用方法など。