こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。
今回は、2016年12月に東京の秋葉原で開催された「PGConf.ASIA 2016」で紹介されたユーザー事例を紹介することで、「OSSを活用するユーザーの意識の変化」について解説したいと思います。
PGConf.ASIA 2016は、2016年12月1~3日にかけて秋葉原のコンベンションホールで開催された、日本で初めての国際的なPostgreSQL(オープンソースのオブジェクト関係データベース管理システム)に関するイベントです。コンセプトは、「PostgreSQL20周年を祝おう」ということで、20周年を機に日本やアジアでの取り組みを海外に発信することと開発者とユーザーのコミュニケーションの場を提供するということでした。
イベントを実施するにあたり10カ月前の2016年2月から準備が開始され、すべてボランティアスタッフで構成した準備委員会を設立しました。その準備委員会で、カンファレンスの運営委員やプログラム委員を選出しましたが、運営委員には、PostgreSQL関連のコミュニティであるJPUG(NPO法人日本PostgreSQLユーザー会) やPGECons(PostgreSQL エンタープライズ・コンソーシアム)のほかPostgreSQL関連のビジネスを展開している企業を中心に27人、またプログラム委員には、PostgreSQL開発者を中心に5人を選出しました。
CFP(学術会議などへの投稿論文や発表申し込みを促すための文書)の募集期間を2016年7月8日~8月31日に設定し、海外にも広く募集をしました。応募総数は60本で、その中には、海外14カ国からの42本の応募もありました。その中からプログラム委員会で16の講演を採択しました。
内容は、技術的な内容からユーザー事例まで幅広い内容で、来場者にとって、大変興味深い内容になりました。また、カンファレンスの参加人数は、海外からの来場者を含めて当初の目標である300人の方が参加し、盛況なイベントとなりました。
その中で、当日のセッション参加者も多く、内容も興味深かった中国電力の丹治部長の講演内容をご紹介したいと思います。
中国電力では、中国電力グループのIT資産を効率的に運用するためにクラウド基盤を構築したり、ベンダー主導のシステム開発や情報化費用の高止まり解消のために汎用ソフト・外部サービスの利用拡大など特定のベンダに依存しない技術の採用を明記した「IT構想」を2011年に策定しました。
このIT構想策定の背景には、ベンダとユーザーの役割分担が大きく変わってきたことありました。メインフレームを活用していた頃は、ハードウェアやOS、ミドルウェアはすべてベンダーが準備するものでした。
PGConf.ASIA 2016日本で初めての国際的なPostgreSQLに関するイベント