日本オラクルは3月8日、2016年9月に発表の「Oracle Database 12c Release 2」(以下、DB 12.2)のWindows環境向け製品の出荷を開始した。クラウドやオンプレミスのあらゆる稼働環境で最新のデータベースを利用できるとしている。
この日、同社が開催したカンファレンスでは米国本社のデータベース製品責任者を務めるデータベース・サーバ技術担当エグゼクティブバイスプレジデントのAndrew Mendelsohn氏が出席。DB 12.2の特徴について「インメモリ・ビッグデータ・クラウド」の3つの観点から紹介した。本稿では同氏が挙げた3つのポイントの概要をレポートする。
インメモリを生かした性能向上
Oracle データベース・サーバ技術担当エグゼクティブバイスプレジデントのAndrew Mendelsohn氏
1つ目の「インメモリ」についてMendelsohn氏は、リアルタイム分析などデータの迅速な活用を実現するための性能の向上がポイントだと話す。
12cではカラムとローのデュアルフォーマットの対応により、同一のデータベース上でOLTPや分析などの実行できるようになっている。DB 12.2ではこれらの処理性能を向上させるために「In-memoryジョイン・グループ」や「In-memory Expression」と呼ばれる機能を活用し、ジョイン(複数のデータソースを束ねる)での高速化は最大3倍に、複雑なクエリの処理も同10倍に高速化した。JSONクエリについては同60倍に向上している。
また、Exadataやクラウドサービス版のDB 12.2ではデータベース保護の「Oracle Active Data Guard」を利用することで、インメモリ上の本番環境を稼働させたままデータベースの複製し、待機系でその複製を用いたリアルタイム性の高い分析などができるようになった。
アクティブ-スタンバイのデータベースにおいてリアルタイム性の高い異なる処理が可能になる
Mendelsohn氏によれば、Oracle DatabaseではIntelなどが開発を進める不揮発性メモリを採用したストレージなどへの対応を予定する。既にDB 12.2でその準備を進めているとのことだ。